研究課題/領域番号 |
63510029
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
増成 隆士 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 助教授 (60011376)
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研究分担者 |
五十嵐 一 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 助教授 (90193169)
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キーワード | 映像による思考 / 映像による哲学 / 感性学 / マグリット / ノルシュテイン / 舞い / エクスタシス / 悟り / 意味の三角形 / 預言の構造 / 聴覚イマージュ / 本質直聴 |
研究概要 |
「(視覚的)映像において、映像によって思考する」ということがどのように、また、どこまで可能であるかについて、主として認識論の局面で考究し、言葉による思考と対比して、基本的な事項について論究するとともに、コンピュータ・グラフィックス・アニメーションによる試作映像による問題提起をおこなった。また、ユーリ・ノルシュテインのアニメーション作品『霧につつまれたハリネズミ』の美学的・哲学的解析をおこない、「映像による哲学」「感性学としての美学」の可能性についてのひとつのケース・スタディーとした。(←増成) 型としての踊りではなく、ひとつの思想が凝縮されて拓けるイマージュとしての舞いのありかを探ねた。「悟りの裡に舞いあがり、舞いの裡に悟りはなし」とのスフラワルディーの言葉に、その秘密が表現されている。その構造を、神秘主義のエクリチュール研究として追求した。「悟り」として日常性を「超出」(エクスターシス)することがそのまま二本足で歩行する日常を「超出」して「舞い出す」(エクースタシス)ことにつながる。つづいて、聴覚的イマージュの研究に入り、I.A.リチャーズの「意味の三角形」(プラトンからリシュールまで、西洋的言語観はほぼこの枠組に入る……)では覆いきれない「預言の構造」に想倒した。垂直に降りてきて預言者の体内に浸透する、かかる聴覚的イマージュの深層構造の分析がこれからの研究である。(←五十嵐)
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