研究概要 |
平成2年度は3年継続で始じまった本研究課題にかかる研究の最終年にあたる。前年度までに得られた研究成果の発展を行い,とりまとめ,今後の研究課題および問題点の整理を行った。研究代表者,各分担者の相互の研究交流,協力を通して得られた研究成果は一冊の報告書としてまとめられた.以下そのいくつかを列記する。 複数の特性に関して測定された多次元デ-タの分析に関連して,特に家族を一つの単位として観測されたデ-タを分析するための統計手法の開発を行った。これによって,ある種の独立性の仮定が満されない多次元デ-タの次元縮小が可能となり,また正準相関分析等の多変量解析手法による分析が行えるようになった. 統計的リサンプリング法の研究を継続し,その代表的な手法であり現在多方面から集中的な研究が行なわれているブ-トストラップ法の構造を明らかにするとともに,区間推定の新しい手法を提案した.またブ-トストラップ法に関するこれまでの研究成果のとりまとめを行い,公表した。 多変量確率ベクトルの尺度混合の分布関数を,標準正規分布あるいはガンマ分布の直積を第一項として展開した漸近展開の導出と誤差項評価の研究をさらに進めた。またこれに関する研究成果のとりまとめを行い公表した。 正値連続分布の典型であるスケ-ル分布族の代表的な分布についての考察を行い,性質を導き,その統計的利用についてまとめ,成果を公表した。また離散分布では数式処理の援用により,複雑で解析が困難と思われていた式の整理,今後の見通しを得ることができた。それらによって分布の性質があきらかにされ,統計的問題へと発展しつつある。一部の成果は公表された。
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