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1988 年度 実績報告書

メタステーブル原子と固体表面の相互作用

研究課題

研究課題/領域番号 63540241
研究機関東京大学

研究代表者

増田 茂  東京大学, 教養学部, 助手 (50173745)

研究分担者 原田 義也  東京大学, 教養学部, 教授 (20013477)
キーワードメタステーブル原子 / 電子分光 / 表面電子状態
研究概要

昭和63年度の研究成果は以下の通りである。
(1)遷移金属表面とその吸着子系
メタステーブル原子電子分光(MAES)に用いる超高真空槽、エネルギー分析器、原子源等の調整を終え、Ni(100)-CO系の測定を開始した。この表面(θco〜0.6)では、He^*(2^3S)原子はペニングイオン化過程を経て脱励起すること、またスペクトルには吸着子準位(CO4σ、5σ、1π、2π^*)からの電子放出のみが選択的に出現することが判った。特にUPS等の手法では下地の3dバンドからの放出に重なってしまうNi3d→CO2π^*逆供与準位の存在が明瞭に認められた。この系については現在、S/N比の向上、試料冷却機構等の改良をおこなっている。
(2)金属錯体
吸着系のモデル化合物としてCr(CO)_6、Cr(C_6H_6)_2を取り上げ、MAESの測定をおこなった。分子軌道計算等に基づいて、スペクトルの帰属をおこない、Cr3d軌道及び配位子軌道の空間分布に関する知見を得た。その結果、3d軌道の拡がりと表面におけるメタステーブル原子の脱励起過程には強い相関があることが判った。
(3)グラファイト
2次元物質の典型であるグラファイトのMAESを測定した。MAESではUPSと異なり、価電子帯のエネルギー分散の効果は平均化されてしまうこと、真空側に大きな電子分布をもつπバンドのみが選択的に観測されること、さらに共鳴イオン化がπ^*バンドの対称性から抑制されてしまうこと等を見い出した。
(4)Si(111)7×7
現在、データの蓄積を図っているが、メタステーブル原子は共鳴イオン化、続いてオージェ中和の2段階過程を経て脱励起する。

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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