研究課題/領域番号 |
63540315
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
光田 寧 京都大学, 防災研究所, 教授 (90027219)
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研究分担者 |
池淵 周一 京都大学, 防災研究所, 教授 (20026181)
林 泰一 京都大学, 防災研究所, 助手 (10111981)
堀口 光章 京都大学, 防災研究所, 助手 (60190253)
山田 道夫 京都大学, 防災研究所, 助教授 (90166736)
田中 正昭 京都大学, 防災研究所, 助教授 (60027240)
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キーワード | 地空相互作用 / 蒸発 / 表面地中水分量 / 地表面放射温度 / 赤外線水分計 |
研究概要 |
大気と裸地面とのエネルギー交換について研究するために、京大宇治グラウンド横の地空相互作用実験施設において、地空相互作用の観測を行った。観測塔による気象要素の高度分布および放射、蒸発などの観測を連続して行うと共に、本年度中に3回の精密観測を行った。今回の精密観測の目的は、いろいろな手段による観測の結果を用いてバルク法における地表面の条件をどのように考えれば良いかということを調べることにあった。すなわち、バルク法で乱流輸送量を求めるに当って、海面上ならば表面温度で飽和した層を表面条件として考えれば良いが、陸地面においてはそのような仮定は成立しない。従って地表面からの蒸発を推定するに当ってバルク法を用いることはできなかった。幸いにして赤外線を用いて地中の水分量を測定する装置を購入することができたので、これを用いて地表面の地中水分量を測定し、同時にプロフィルからの輸送量の推定および乱流輸送の直接測定を行い、地表面の条件と輸送量の関係を求めてみた。その結果、顕熱の輸送については従来からいわれているとおり、赤外線放射温度計で測定した地表面温度を用いてバルク法で輸送量を推定することができ、水蒸気の輸送については地表面温度に対応する飽和比湿に地表面水分量の地中水分飽和量に対する比で決定される値を用いれば良い事が推測された。また地表面直上の分子拡散層における熱および水蒸気の変換については熱の場合放射温度とプロフィルから求めたZoでの温度との差に比例し風速に関係しないが、水蒸気の場合は地表面放射温度に対する飽和水張と水蒸気プロフィルのZoでの値との差に地表水分量の2/3乗を掛けたものに比例し、その比例定数はU^2_xと直線的な関係にあるということがわかった。
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