研究課題/領域番号 |
63540618
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中村 耕二 北海道大学, 理学部, 教授 (40000822)
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研究分担者 |
岩田 圭示 北海道大学, 理学部, 助手 (60002226)
加藤 誠 北海道大学, 理学部, 教授 (60000824)
魚住 悟 北海道大学, 理学部, 教授 (20000763)
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キーワード | ペルム紀 / 二畳紀 / 北極海域 / テーチス海域 / 古生物区 |
研究概要 |
テーチス海域(日本・中国・インド・パキスタン・イラン・トルコなど)におけるペルム紀海生無脊椎動物については、研究代表者らによる多くの成果の蓄積がある。今年度はこれらを系統的に整理し、さらに、北上山地(宮城県・岩手県)の補足的野外調査を行って、若干の新知見を加えた。また、研究代表者が1984年に北極海域スピッツベルゲン島において行った地質調査結果と、採集した化石の同定結果を分析し、同島のペルム紀海生無脊椎動物の時空分布の大要を明らかにした外、文献による、グリーンランドおよびカナダ北部地域のそれらとの比較検討を行った。その結果は以下のように要約される。 1.スピッツベルゲンの中・上部ペルム系はKapp Starostin層と呼ばれているが、特に腕足類が豊富に含まれている。その重直分布を詳細に検討し、下から、Harridonia timanica帯、Waagenoconcha SP.A帯、Megousia weyprechti帯、Pterospirifer alatus帯、Haydenella wilczeki帯の5帯に分帯することに成功した。 2.以上5帯のうち、Megousia Weyprechti帯とPterospirifer alatus帯は、グリーンランド中東部にも発達しており、そこでは、後者の直上からアンモナントのCyclolobusを産出する。この化石は、テーチス海域ではほぼDzhulfianを示すので、従来不明とされていたKapp Starostin層の上限の時代は、Dzhulfian(恐らく前期)であろう。 3.カナダ北部のエレズメア島のペルム系の上限は、スピッツベルゲンのMegousia weyprechti帯にあたり、上位の2帯はここでは発達していないことがわかった。 4.以上の結果、北極海域でペルネ系が最もよく発達しているのは、スピッツベルゲン島であることが判明した。
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