研究課題/領域番号 |
63540618
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中村 耕二 北海道大学, 理学部, 教授 (40000822)
|
研究分担者 |
岩田 圭示 北海道大学, 理学部, 助手 (60002226)
加藤 誠 北海道大学, 理学部, 教授 (60000824)
魚住 悟 北海道大学, 理学部, 教授 (20000763)
|
キーワード | ペルム紀 / 二畳紀 / 北極区 / ボレアル区 / テ-チス区 / 古生物区 |
研究概要 |
今年度はペルム紀無脊椎動物化石のうち、腕足類・珊瑚・二枚貝・こけ虫などについて、北極海域産のものとテ-チス海域産のものとを、主として古生物地理の観点から比較検討することに重点をおいて研究を進めた。その結果は以下のように要約される。 1.ペルム紀前期においては、両海域はウラル地域を通じて連っていたらしく、共通属・種が少なくない。しかし、ペルム紀中期になると、ウラル地域は頻繁に陸化を繰返すようになったため、両海域の対立は顕著になた、生物群の分化が進んだ。ペクム紀後期は、全般的に優陸期で、海生々物は劣勢となり、局地化した。 2.ペルム紀中・後期は、前項で述べたように、両地域の海生動物群の対立が顕著になる時期である。なかでも、腕足類・こけ虫・珊瑚などは、北極海域・テ-チス海域それぞれ固有のものが多い。一方、二枚貝の一部には、両海域に共通のものが含まれており、注目に値する。 3.ペルム紀中・後期には、ユ-ラシア大陸の北西部に浅いZechstein海が生じ、ここから産出する腕足類・珊瑚などは北極海域型であり、現在地理的に近いイタリア北部・ユ-ゴスラビア北部・ハンガリ-などから産出するテ-チス海域型のものは含まれていない。一方、同大陸の北東側、例えば中国北部などから産出する腕足類は、北極海域型のものが大部分で、一部テ-チス海域型の種が混在している。 4.本邦産ペルム紀腕足類についてまとめると、北上・阿武隈・飛騨・舞鶴などの諸帯から産出するフォ-ナ-は両者混在型であり、足尾・赤坂などの山地および四国南部から産出するものは、純粋のテ-チス型であるなど、明らかに異なった2つのタイプに分けることが可能である。
|