• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1990 年度 実績報告書

北極海域およびテ-チス海域産ペルム紀無脊椎動物化石の比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 63540618
研究機関北海道大学

研究代表者

中村 耕二  北海道大学, 理学部, 教授 (40000822)

研究分担者 岩田 圭示  北海道大学, 理学部, 助手 (60002226)
加藤 誠  北海道大学, 理学部, 教授 (60000824)
キーワードペルム紀 / 二畳紀 / 北極区 / テ-チス区 / 古生物区 / 大陸移動
研究概要

今年度は特に中・後期ペルム紀における腕足動物区について,北極海域とテ-チス海域の接点に位置する東アジアの状況を重点的に検討した。その結果は以下のように要約される。
中・後期ペルム紀において,東アジアは4つの腕足動物区に分れていた。これは腕足類化石の属単位の地理的分布に基くものであり,それぞれ,Gondwana Tethyan区,Cathaysia Tethyan区,Angara Tethyan区,Cathaysia Tethyan区とAngara Tethyan区の中間区の4区である。後三者の分区は,典型的な北極海域型(冷水型)とテ-チス海域型(温水型)属の含有状況によったものである。即ち,中国北部および北東部などにおいては,テ-チス海域型をわずかに含むが,北極海域型が大部分を占めるのに対し,中国南部や西南日本外帯においては,テ-チス海域型のみで,北極海域型を全く含んでいない。このことは,冷水型は温水型に較べて狭水温性であることを示している。一方,ソビエトの沿海州や,東北日本・西南日本内帯などにおいては,両方の要素をほぼ等分に含むことの外,Horridonia,Licharewia,Paeckelmanel la,Kochiproductusなどの典型的な北極海域型を全く含まないことにより特徴づけられる。これを中間区と呼び,独立させて区別すべきものと考える。これは当時Angara Tethyan区とCathaysia Tethyan区の中間に位置していたものであろう。以上述べた事実は,少くとも東北日本,西南日本内帯については,パシフィカ分裂説が当てはまらないことを意味している。古生物区についての研究成果は,古生物学の分野のみならず,大陸移動やプレ-トテクトニクスの解明にも大いに役立っている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Koji NAKAMURA(K.ICHIKAWA〔ed.〕): "Faunal provinciality of the Permian brachiopods in Japan." PreーCretaceous Terranes of Japan,Publication of IGCP Project 224. 313-320 (1990)

  • [文献書誌] 中村 耕二: "後期ペルム紀における腕足類の古生物地理" 地質学雑誌.

URL: 

公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi