研究課題/領域番号 |
63550085
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小倉 敬二 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (70029007)
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研究分担者 |
阪上 隆英 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (50192589)
西川 出 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (90189267)
三好 良夫 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (40029434)
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キーワード | 超音波顕微鏡 / 疲労 / すべり帯 / き裂発生 / 表面き裂 / 初期き裂進展 |
研究概要 |
本研究は超音波顕微鏡(SAM)を新しい計測手法に採用し、これまでに適当な計測手法がないが故に十分明らかに出来なかった未臨界き裂成長問題におけるき裂の発生から進展への遷移過程に対し、新しい知見を得ようとするものである。研究計画にそってまず未臨界き裂成長問題の内最も重要な疲労き裂の発生、成長の様子の観察を中心課題とした。試験片材料として純銅、純ニッケルおよびオ-ステナイト系ステンレス鋼を用いた。疲労試験中適当な間隔で試験を中断、試験片を取り外し、SAMにより観察を行った。得られた重要な結果は以下のようである。 1.鏡面仕上げした試験片表面に発生するすべり帯は分解能の上からは600MHz以上のレンズを用いて観察することが望ましいが、表面直下100ミクロン程度の部分の情報を得るには超音波の減衰の関係で400MHz以下のレンズによる必要があることがわかった。純ニッケルのサンプルによるSAM観察の結果は三種類の材料の中で画像が最も良好であった。 2.光学顕微鏡像ではあまり違わない二つのすべり線でもSAM像では大きな相違のある場合がある。SAM像の違いは基本的にはサンプル内部方向の様子の違いに起因しているものと考えられるが、サンプル表面すべり線周辺の段差の相違が大きく像に反映されることが明らかとなった。 3.すべり線の両側にはある段階でSAM像特有の干渉縞が観察されることが明らかとなった。これはすべり線がき裂に発展したことを示すが、残念なことに現段階ではかなりはっきりしたき裂になった後に初めてこうした干渉縞が現れ、当初目標の一つとしたすべり線からき裂に遷移する間の中間領域の情報を捕らえることは困難であった。 4.完全にき裂になった状態におけるき裂のサンプル内部方向への深さあるいは進入方向についてはV(z)曲線の分析あるいは干渉縞の解析により定量解析が可能であることが明らかとなった。
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