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1989 年度 実績報告書

細胞性粘菌ミトコンドリア遺伝子の発生・分化への影響

研究課題

研究課題/領域番号 63560073
研究機関筑波大学

研究代表者

田仲 可昌  筑波大学, 生物科学系, 助教授 (80091908)

研究分担者 旭 正  名古屋大学, 農学部, 教授 (10023392)
キーワード細胞性粘菌 / ミトコンドリアDNA / 遺伝暗号 / ATPase9 / NADH dehydrogenase / tRNA / 有性生殖 / 発生分化
研究概要

1.昨年に引き続き、細胞性粘菌Dictyostelium discoideumのミトコンドリア(mt)DNAのPvuI断片3.6Kbとそれに接する0.8Kbを完全に配列決定した。昨年度の研究から、この断片の中にはATPase subunit 9(ATP9)とNADH dehydrogenase subunit 1(ND1)が存在することが分かっていたが、今年度さらに(1)5つのtRNA(2つのMet,Lys,Arg,Pro)の遺伝子、それにsmall rRNAの一部がコ-ドされていることが分かった。(2)tRNAについては、全てがDル-プ、Tル-プを有し、細胞質のtRNAと同様なクロ-バ-葉構造を形成すると考えられる。(3)サザン法の結果、ATP9とND1とともに遺伝子はmtDNAにのみ存在し、核の方にはなかった。(4)細胞性粘菌のND1はアミノ酸レベルでショウジョウバエと48.5%のホモロジ-があった。(5)2つの遺伝子のアミノ酸配列を他の生物のそれと比較し、細胞性粘菌のmtDNAは普遍暗号を使用していると予想され、また(6)特徴として、コドンの3文字目の塩基比率がA+Tが90.4%と非常に高く、特にAで終わるコドンは63.9%に達していた。
2.発生分化期に入ると、largeとsmallのrRNA,ND1,ATP9の発現がどのように変化するかを、ノ-ザン法で調べたところ、ATP9が発生期に入ってそのmRNAの量が顕著に減少することが分かった。
3.有性生殖過程におけるmtDNAの伝達様式をRFLPを用いて、さらに詳しく調べたところ(1)両交配型(matl, mat2)の細胞当りのmtの数や、mtDNAの長さ、それにメチル化の程度などに差がなかったので、細胞レベルでのmtDNAの選択はないと考えられ、(2)mtDNAは全てuniparentalに遺伝されたが、同じ系統株間の交配の場合、mat2細胞のある遺伝子がmat1細胞のある遺伝子よりも優性であり、異なる系統株間の交配ではその核遺伝子が相互優性(codominant)であると考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] M.Mirfakhrai,田仲可昌,柳澤嘉一郎: "Evidence for mitochondrial DNA polymorphism and uniparental iuhesitance in the cellular slime mold Polysphondylium pallidum." Genetics. 124. (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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