• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1988 年度 実績報告書

ミトコンドリア酵素異常による神経筋疾患の病因解明に関する分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63570374
研究機関国立精神・神経センター

研究代表者

埜中 征哉  国立精神・神経センター, 神経研究所・微細構造研究部, 部長 (80040210)

研究分担者 菊池 愛子  国立精神, 神経センター神経研究所・微細構造研究部, 研究員 (70159010)
相川 久志  国立精神, 神経センター神経研究所・微細構造研究部, 室長 (30184013)
キーワードミトコンドリア脳筋症 / ミトコンドリアDNA / 組織培養
研究概要

(1)ミトコンドリア脳筋症の診断法の確立
1988年度にミトコンドリア脳筋症が疑われた102例の筋生検を行ない67例のミトコンドリア脳筋症の新患者を病理組織学的、生化学的検索で診断した。生化学的には複合体工欠損2例、IV欠損10例、複合体IV部分欠損8例で、残りの症例は形態学異常のみで、生化学的異常が見出せなかった。ミトコンドリアの異常が存在しながら生化学的異常が確認できない症例の解決が、今後解決すべき問題として残された。
(2)チトクロームC酸化酵素(複合体IV)の培養筋細胞での検討
本酵素欠損患者(乳児致死型、急性脳筋型、慢性脳筋型)生検筋を培養し、その酵素活性を生化学的、電顕細胞化学的に検討した。急性脳筋型の2例では全ての筋管細胞で酵素活性はみられなかった。乳児致死型、慢性脳筋型では、複合体IV活性陽性の筋管細胞、陰性の筋管細胞、二つの異なるクローンが存在することが分った。この結果は複合体IV欠損にみられる部分欠損、組織特異性を説明する重要な発見であった。
(3)ミトコンドリアDNAの異常
核のほかミトコンドリアにも個有のDNAが存在する。ミトコンドリアは全て母親由来であるので、ミトコンドリア異常は母性遺伝をすることになる。家族発生のミトコンドリア脳筋症を検索し、世界で始めてミトコンドリアDNA異常による本疾患の母娘例を見出した。母は2.5KDの、娘は5KDのミトコンドリアDNAの欠落であった。また我々の細胞バンクにある多数例とDimauro(コロンビア大)の症例のミトコンドリアDNAをスクリーニングし、32例のミトコンドリアDNA異常疾患を見出した。それらは全てKearns-Sayre症候群ないし類似の進行性外眼筋麻痺症候群で、ND4領域を中心としたミトコンドリアDNAの欠落が最も多かった(New Engl J Med 印刷中)。

研究成果

(6件)

すべて その他

すべて 文献書誌

  • [文献書誌] Nonaka,I,;Koga.Y,;Okino.E,;Kikuchi.A,;Fujisawa.K,;Miyabayashi.S.: Brain & Development. 10. 223-230 (1988)

  • [文献書誌] Nonaka.I,;Koga.Y,;Shikura.K,;Kobayashi.M,;Sugiyama.N,;Okino.E,;Nihei.K,;Toji.M,;Segawa.M.: Acta Neuropathol. 77. 152-160 (1988)

  • [文献書誌] Nonaka.I,;Koga.Y,;Ohtaki.E,;Yamamoto.M.: J Neurol Sci.

  • [文献書誌] Koga.Y,;Nonaka.I.;Kobayashi.M,;Tojo.M,;Nihei.K.: Ann Neurol. 24. 749-756 (1988)

  • [文献書誌] Sakuta.R,;Nonaka.I.: Ann Neurol.

  • [文献書誌] Yamamoto.M.;Nonaka.I.: Acta Neuropathol. 76. 558-563 (1988)

URL: 

公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi