研究課題/領域番号 |
63570661
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
原田 邦彦 徳島大学, 医学部, 助教授 (40035704)
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研究分担者 |
佐尾山 信夫 国立善通寺病院, 医長 (10116816)
木村 秀 徳島大学, 医学部, 助手 (20186323)
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キーワード | 肺切後残存肺過膨張 / 過膨張防止策 / ガス嚢充填 / 肺切後胸郭肺間弾性不均衡 |
研究概要 |
肺葉切除術後に起る残存肺の過膨脹状態を実験的に作成するために、成犬に肺切除術を行ったが、犬は縦隔構造が薄弱なために1側のみの肺葉切除を行っても対側肺が切除肺の痕に容易に移動してきて、遺残死腔を填めてしまうために、術側残存肺の過膨脹現象が起こりにくい。そこで肺機能測定のターゲットは右上葉にするが、右上葉が人間と同様に過膨張を起こさすために右中下肺葉の切除と同時に左下葉も切除して、1側肺が対側に移動するための変化を防止した。 右中下葉切除の痕にラテックス嚢を装填し、その嚢の中に空気を注入して、術前の中下葉のあったスペースに相当する大きさにして1カ月後に胸部X線写真にて右上葉の位置、大きさを検討したが、嚢充填例では肺切除前後で大きさ、位置、含気性などに変化はなかった。また胸腔内に液貯留もみられなかった。対照の肺切除のみの例では、横隔膜挙上、残存肺の大きさの増大、胸郭の縮小などが見られた。また、脳水貯留もみられた。しかし、血液ガスには両群間に有意差はなかった。換気動態を胸部運動の計測、換気クリアランス法などで検討中である。 なお、胸腔内に充填用のバッグを試作しているが、材質としてガス保留性の良い膜を検討中である。しかし、注入したガスが永久的に保留できる膜材質は得難い様である。そこで、ラテックス嚢を充填して1カ月経過後には嚢周囲に結合織膜ができていることを確かめた後、ガス嚢を抜去し、その痕の腔に経皮的にSF_6ガスを注気して限局性の気腔を保ち嚢充填と同等の効果を得る方法を検討中である。
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