研究課題/領域番号 |
63840013
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
佐野 博敏 東京都立大学, 理学部, 教授 (20086995)
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研究分担者 |
大澤 隆雄 セイコー電子工業(株)
田口 堯雄 セイコー電子工業(株), 部長
遠藤 和豊 東京都立大学, 理学部, 助教授 (50106598)
片田 元己 東京都立大学, 理学部, 助教授 (20094261)
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キーワード | メスバウア-分光法 / 散乱電子 / 同時計数法 / 特性X線 / 表面層 |
研究概要 |
本年度は前年度にひきつづき、散乱電子とこれにともなって放出される時性X線との同時計測回路の組み立てと測定を試みた。具体的な系としては、放射壊変で生成する57Feの化学状態をとりあげ、同時計数の基礎的問題と局所分析のモデルとして検討した。その結果、122KeVのγ線や内部転換電子の放出にともなうX線などと同時計数することが可能であることがわかり、種々の化合物について、時間分割による測定を行い、壊変直後からの生成核種(^<57>Fe)の化学状態に関する情報を得た。次に、散乱電子メスバウア-分光法に関して、各種酸による表面腐食生成物の測定や鉄ゆう(釉)の測定を行い表面層における基礎的デ-タの収集を行った。すなわち、ブリキを硝酸で処理した場合には、濃度が高いと腐食層が厚くなり基板のβスズのピ-クが観測されず、表面層に生成したメタスズ酸によるピ-クのみ観測される。しかし、濃度を低くすると腐食層に次第に薄くなり基板のβスズが観測されるようになる。また、リン酸で処理すると、ピロリン酸スズ(IV)が生成することがわかった。このように、散乱メスバウア-分光法は表面層の測定に有効である。さらに鉄ゆうの場合には、処理温度、含有される鉄の量により色調が変化するが、鉄の濃度が高くなるにつれて、酸化鉄が偏析してくることが確認され、特に表面層ではαーFe_2O_3の結晶として存在していることが、磁気分裂ピ-クの強度化から結論された。一方、^<57>Coを用いたX線分析は、Ge半導体検元素分析を行うことができた。このことから、散乱電子メスバウア-スペクトルとX線分析が同じ^<57>Co線源を用いて十分行えることがわかり、メスバウア-分光学的X線分析器の開発の途は開いたと考えられるが、当初のもう一つの目的であるマイクロアナライザ-については、同時計数法に関する基礎的デ-タは得られたが、スポット化に対してはさらなる改良、工夫が必要とされる。
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