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1988 年度 実績報告書

包接化合物による物質の分離及び光学分割方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 63840017
研究機関愛媛大学

研究代表者

戸田 芙三夫  愛媛大学, 工学部, 教授 (50036232)

研究分担者 北村 光孝  広島大学, 工学部, 助手 (60127644)
野平 博之  埼玉大学, 工学部, 教授 (50008819)
キーワード分離 / 光学分割 / 分子認識 / 優先晶析
研究概要

新たに分子設計し、合成したホスト化合物及びこれまでに合成してあったホスト化合物を用いる包接現象を利用して、物質の分離法及び光学分割法の開発を行い、いくつかの研究成果が得られた。先づ、9、9′ービアルトリルが分子認識能に優れたホストであることが判明し、このホストとの包接現象を利用して2、6ー及び2、7ージイソプロピルナフタレンの分離が極めて能率良く遂行できることがわかった。この場合、2、6ージイソプロピル体が優先的に包接されて安定な結晶性の包接化合物を形成するので、純粋なこの異性体を混合物から容易に分離できる。この異性体は耐熱性ポリマー製造の重要な原料であるので、工業的意義が大きい。又、このホスト化合物との包接化を利用して、Oー及びPージクロロベンゼンを能率良く分離できることも判明した。
一方、安い天然の不斉源である酒石酸から誘導できるアルコール系ホスト化合物を設計、合成し、これらのホスト化合物との包接化を利用するゲスト化合物の光学分割の研究を行った。そして、パントテン酸の合成原料であるパントラクトンが能率良く分割できることがわかった。その他、いくつかのラクトン類、ステロイドの合成原料である二還性エノン類、ジオール類、アミノアルコール類なども分割できることが判明した。又、酒石酸から誘導したこれらのホスト化合物はビスナフトールやビスフェナントロールのような軸不斉化合物の光学分割にも有用であることがわかった。これらの軸不斉ホスト化合物は多種多様なゲスト化合物を包接し、それらの光学分割を行うことができるので、上記の研究成果はたいへん有意義である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] F.Toda: J.Org.Chem.53. 308-312 (1988)

  • [文献書誌] F.Toda: Chem.Lett.513-516 (1988)

  • [文献書誌] F.Toda: J.Inclusion Phenomena. 6. 15-30 (1988)

  • [文献書誌] F.Toda: J.Org.Chem.53. 3607-3609 (1988)

  • [文献書誌] F.Toda: Chem.Lett.1755-1758 (1988)

  • [文献書誌] F.Toda: Chem.Lett.1997-2000 (1988)

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公開日: 1990-12-19   更新日: 2016-04-21  

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