研究課題/領域番号 |
63860022
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
竹村 冨男 名古屋大学, 農学部, 教授 (90014919)
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研究分担者 |
佐々木 康寿 名古屋大学, 農学部, 助手 (90154004)
祖父江 信夫 名古屋大学, 農学部, 助手 (50023495)
都築 一雄 名古屋大学, 農学部, 助教授 (60023438)
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キーワード | 木造軸組 / 機械プレカット / あり / ほぞ / 接合強度 / 半剛節解析 / 新構法 |
研究概要 |
この研究は、機械プレカットの利点を生かした、新しい木造軸組構法を開発・提示することを目的とし、1)文献資料等による新構法用継手・仕口の調査・抽出、2)新構法用継手・仕口の性能試験、3)新軸組構法の構築・提示、の3段階に分けて実施することにした。本年度では、前年度で残された、2)の一部と3)を実施し、また両年度の研究成果を小冊子にまとめ、印刷・公表することにした。本年度の研究成果を要約すると、以下のとおりである。 1.新構法用継手・仕口の性能試験 前年度において抽出・選定された腰掛けあり継ぎと腰掛けあり仕口について、機械加工性、接合強度におよぼす寸法因子の影響などを実験的に検討し、とくに興味あることとして、ほぞの長さの増大は接合部の引張強度、すなわち最大引張荷重の値よりも、接合部に粘り(エネルギ-吸収能)を付与する効果が大きいことを見いだした。また従来のありの上端を側面とする、ありの新しい使い方を提案し、そのばあい、接合剛性係数の値が従来の使い方による値と大略合致することを実験的に明らかにした。 2.新軸組構法の構築・提示 新構法構築の基本構想として、(1)新構法は基本的には在来軸組構法を継承・改変したものとする、(2)改変の主対象を継手・仕口におき、それらの加工を機械プレカットで行う、(3)継手・仕口の種類を可及的に少なくし、ほぞとありを多用する、(4)新構法の構築と安全性の検討手段として、半剛節構造解析を援用する、などの構想を提示した。ほぞとありの改変については、今後の研究にまつところが多いが、これらの基本構想を木造住宅モデルに適用し、新しい軸組構法の構築が可能なことを示した。なお、研究は将来の実用化を期して、次年度以降も継続実施の予定である。
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