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1990 年度 実績報告書

低分子低免疫原性物質に対する新しい効率良い抗体作成法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 63870013
研究機関東京大学

研究代表者

井上 圭三  東京大学, 薬学部, 教授 (30072937)

研究分担者 五十嵐 浩二  東ソー株式会社, 生物工学研究所, 研究員
金井 晃  東ソー株式会社, 生物工学研究所, 所長
梅田 真郷  東京大学, 薬学部, 助手 (10185069)
工藤 一郎  東京大学, 薬学部, 助教授 (30134612)
キーワード大豆油 / モノクロ-ナル抗体 / 自己抗体 / リポプロテイン / アレルギ- / 自己免疫
研究概要

最近になりアレルギ-またはアレルギ-性疾患の増加が社会的な問題となってきている。特にスギ花粉、イエダニ等の環境要因によるアレルギ-と共に、食物性アレルギ-の著しい増加が報告されている。近年、動物性油脂の見直しにより植物性油脂、特に大豆油が汎用されるようになり、臨床医からの報告では、大豆中の油脂成分が最も強いアレルゲン特を有するとされ、小児性アトピ-性皮膚炎の最も有力な原因物質の一つにも大豆油が挙げられている。これまでに食物中のタンパク質性アレルゲンについての検討はなされてきたが、油脂成分に対する解析は全くなされていない。そこで本年度は、大豆油中に存在する免疫原性物質の検索を中心に研究を進めた。マウスをモデル動物として選び、大豆油を脾内免疫あるいは生後より大豆油を過量に含む食餌を与えると、いずれの場合にも大豆油に結合性を有する血清抗体価の上昇が認められた。さらに解析を進めるために、それぞれのマウスより大豆油に結合性を有するモノクロ-ナル抗体の作製を試み、約60株のモノクロ-ナル抗体を樹立した。そのうち15株を選び、ハイブリド-マ培養上清の抗原特異性を解析したところ、いずれのモノクロ-ナル抗体も類似の特異性を示し、大豆油中のトリリノレインに最も強い結合性を示し、トリオレインには結合活性を示さなかった。さらに抗体を精製し、その反応性を解析したところ、抗体のみではトリリノレインに結合することはできず、血清中のある成分を介して抗体がトリリノレインに結合できることが明かとなった。つまり、抗体はトリリノレインそのものに結合性を有するのではなく、血清中のある成分を認識し、その成分を介してトリリノレインに結合することが示された。この知見は、大豆油投与により、自己の血清成分に対する自己免疫が誘導されたことを示している。現在、血清成分の同定を試みている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 南 景〓: "Production and characterization of monoclonal antibodies that specifically bind to Phosphatidylcholine" Biochimica et Biophysica Acta.1046. 89-96 (1990)

  • [文献書誌] 南 景〓: "Antiーidiotypic antibody identifies the strucfural similarity between the phosphatidylcholineーspecific monoclonal antibody and phosphatidylcholineーspecific lipid pranster profein" FEBS LETTERS. 269. 394-397 (1990)

  • [文献書誌] 五十嵐 浩二: "Effective induction of antiーphospholipid and anticoagulant antibodies in normal mouse" Thrombosis.Res.61. 135-148 (1991)

  • [文献書誌] 梅田 真郷: "モノクロ-ナル抗リン脂質抗体ーリン脂質認識様式と構造ー" 蛋白質核酸酵素. 36. 491-505 (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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