研究課題/領域番号 |
63870099
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
野島 庄七 帝京大学, 薬学部, 教授 (70090470)
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研究分担者 |
和久 敬蔵 帝京大学, 薬学部, 教授 (90013854)
平岡 哲夫 三共(株)活性物質研究所, 所長
大野 雅二 東京大学, 薬学部, 教授 (00111550)
井上 圭三 東京大学, 薬学部, 教授 (30072937)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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キーワード | 血小板活性化因子 / PAF抗体 / PAF / ラジオイムノアッセイ / PAFアンタゴニスト / 抗PAF剤 / PAF代謝酵素 |
研究概要 |
本研究の目的は、受容体、代謝酵素、キャリア-蛋白質など、PAFの活性発現を制御する因子に影響を与えることにより、PAFがメディエ-タ-として関与する炎症、アレルギ-などの疾患に有効な新規薬剤を開発することにある。二年間の研究結果として以下に述べる成果が得られた。まず、PAFと病態との関連性を明らかにする上で、病的局所におけるPAFの検出・定量が必須であるため、簡便なPAFの微量定量法として、PAFのラジオイムノアッセイ(RIA)を開発することを目的としてPAFに対する特異的抗体の調整を行なった。合成ハプテンをBSAに縮合させた抗原を注射することにより得られた高力価の抗血清を用いたRIAの検出感度は50pg(0.1pmol)であり、リゾPAFやPCなどのPAF関連リン脂質との交差反応は、ほとんど認められなかった。更にウサギマクロファ-ジのPAF産生量の測定にこのRIAを適用したところ、細胞より抽出後、HPLCによるクリ-ンアップを行なった試料では、RIAにおける精度検定をパスすることが示され、バイオアッセイの結果との相関性も良好であることから、簡便かつ信頼性の高いPAFの微量定量法を開発するという当初の目的は一応達成できたと考えられる。標的細胞におけるPAF代謝についても検討を行ない、エネルギ-依存的に細胞内にPAFを移行させるキャリア-が血小板に依存することが見出された。また、PAFの生合成機構については喘息発症に関与すると考えられるヒト好酸球や、代表的炎症細胞であるヒト末梢血好中球について検討され、種々の疾患においてこれらの細胞によるPAF産生が増加している可能性が示唆された。一方、構造活性相関研究から設計された新規化合物である7-オキサビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン誘導体がPAFアンタゴニストであることが明らかとされ、病態モデルにおける有効性について現在検討中である。以上、各方面からの研究により、抗PAF剤の開発に関し大きな前進が見られた。
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