研究課題/領域番号 |
63890001
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
亀田 和夫 北海道大学, 歯学部, 教授 (70018414)
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研究分担者 |
伊福部 達 北海道大学, 応用電気研究所, 教授 (70002102)
奥村 浩 日本女子大学, 家政学部, 教授 (50001764)
小嶋 祥三 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (70027499)
吉田 敦也 大阪大学, 人間科学部, 助手 (50191573)
鎌田 勉 北海道大学, 歯学部, 助手 (20091431)
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キーワード | マイクロコンピュ-タ / 音声分析 / 音声合成 / ニホンザル / コシジロウミツバメ / 大脳皮質聴覚野 / 行動実験 |
研究概要 |
本年度では、マイクロコンピュ-タとA/Dコンバ-タ、D/Aコンバ-タ、イメ-ジスキャナなどの周辺装置を利用して、動物のなき声をディジタル的に録音し、音声分析および加工を行って、聴覚実験・行動のプレイバック実験に利用する刺激音の合成を行った。これをそれぞれの動物を研究する分担者と代表者との共同作業として行った。ニホンザルについては21種のなき声を分析し、それらについてフィルタリング、フォルマントに分解してその単一周波数成分のみとする、時間的に分割して、各部分とするなどの加工を試みた。とくにCOO音について、smooth early highとsmooth late highの周波数上昇あるいは下降部分の周波数の変化の速度を人為的に変えたサンプル音を作成した。これについては1部、聴覚実験を行い、大脳皮質聴覚野から単一神経の反応を記録した。コシジロウミツバメの音声については、音声分析によって雌雄のなき声の差が明らかにされているので、雌雄の差がどの成分にあるかの分析を行った結果、主として周波数の相異にあることが示された。そこで周波数成分を人為的に連続的に変化させたサンプル音を作成した。またこの種のなき声には独特のリズムがありが、このリズムが種特異性にどのように関わるかを明らかにすめため、人為的リズムによるなき声を合成してこのトリがどのように反応するかを試験するサンプル音とした。さらにこの種と同属の近縁種で、韓国に棲息するトリのなき声を録音し、分析した。この場合、これら2種がなき声をある程度区別して認識していることが、プレイバック実験からうかがえるので、この2つのなき声の周波数およびシラブルの構造を人為的に変化させた合成音を作成して聴覚実験を行う予定となっている。なおこれらの音声の加工をいったんソナグラムとなったものから画像としてとりこみ、逆FFT変換によって試料音とする方法についても検討した。
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