公募研究
100 nm 程度の波長領域の中性子を超冷中性子と言う。地球重力場の下で束縛することができ、その存在確立分布には、数ミクロンオーダーの特徴的な変調構造がある。本研究課題は、この量子束縛状態の変調構造と干渉項の振動現象を同時に計測することで、量子論の枠組みにおける弱い等価原理の検証を行うことを目的とする。量子論の枠組みにおける検証実験は、これまであまり例が無い。これまで行われてきた Eotvos パラメータによる等価原理の破れに関する議論と相補的な検証実験になると考える。当該年度において、高速応答を可能とするSOI技術を用いた放射線イメージングセンサーの開発を行ってきた。設計資産をベースにし、製造プロセスを流したが、プロセス過程において予想以上にウエハの反りなどが出てしまうなどの現象が確認されたため、原因の究明と製造手順の変更、プロセスパラメータの調整を行い、センサーの製造に成功した。一連の調査/開発により、製造プロセスの高度化と効率化に関する知見がより深まったと考える。通常の半導体製造プロセスを経たあとに、中性子への感度を持たせるための、中性子変換膜の製造技術の開発を行った。まずは、小規模サンプルによる試験を行い、表面構造や組成などを調べた。また、読出し回路への実装と放射線源や各種量子ビームによるセンサーの応答試験を行った。これら結果から、技術的な面から要請される変換膜の最適厚や、成膜技術の改良を行った。
2: おおむね順調に進展している
半導体プロセスにおいていくつか乗越えるべく課題が見付かってきていたが、一連の調査によりプロセスを改善することができた。それにより、期待されるセンサーを製造することができた。
イメージングセンサーの基本設計の見通しがたったことから、その特性に合わせ、実験に必要となる他の各コンポーネントの設計を進める。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 6件、 招待講演 1件)
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section A: Accelerators, Spectrometers, Detectors and Associated Equipment
巻: 924 ページ: 448-451
https://doi.org/10.1016/j.nima.2018.07.056