研究領域 | ソフトクリスタル:高秩序で柔軟な応答系の学理と光機能 |
研究課題/領域番号 |
18H04501
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 弘志 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (20598586)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | フェロセン / 大環状化合物 / 動的機能 / 結晶 |
研究実績の概要 |
本申請では、構造柔軟性を有する2次元結晶、すなわち『2次元ソフトクリスタル』の合理的構築を目指し、結晶性2次元格子に動的機能を発現させる手法の開拓に挑戦している。本研究計画『フェロセン環状オリゴマーを鍵とする2次元ソフトクリスタルの創成』では、(1)フェロセン環状オリゴマー(フェロセンユニットの数 > 4)の合成ならびに(2)フェロセン環状オリゴマー連結による結晶化を通じ、2次元ソフトクリスタルの創成を目指す。フェロセン環状オリゴマーを鍵とする2次元ソフトクリスタルの創成は、合成化学にとどまらず様々な科学分野の基礎・応用にまたがる対象であり、本領域における共同研究を通じて合成化学にとどまらないインパクトを与えるものである。 具体的には以下の課題に段階的に取り組んでいる。課題1.回転部位を有するモノマーユニットの設計・合成、課題1-1.フェロセンユニットの数が4以上の環状オリゴマー合成、課題1-2.環状オリゴマーの基本特性解析、課題2.フェロセン環状オリゴマーの連結による2次元結晶化、課題3.2次元結晶の動的特性評価ならびに機能開拓 初年度は課題1に取り組んだ。剛直な連結部によってつながれた4つ以上のフェロセンからなる大環状化合物の設計、合成を行い、さまざまな新規化合物群を手に入れることに成功した。なかでも、4つのフェロセンと剛直なPt-アセチリド錯体からなる化合物については、その結晶構造解析にも成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初設計した化合物の合成において、多段階の合成ステップを含むと共に、各ステップの収率が極めて低いという問題に遭遇した。そこで、フェロセンを連結するリンカー部分の構造ならびに合成法を抜本的に見直し、新たな合成スキームに従って合成を進めた。それにより目的とする回転部医を4つ以上含む大環状化合物群を得ることに成功した。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに得られた大環状化合物群について、2次元結晶さらに2次元結晶の動的特性評価ならびに機能開拓を進めていく。
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