研究実績の概要 |
1. D-π-A-π-D型蛍光性色素のソルバトクロミズム:電子吸引性(A)のピリジン環、ピラジン環およびトリアジン環に2つのD-πユニットを導入したD-π-A-π-D型蛍光性色素を新規に開発し、光学および電気化学的特性を調査した。トリアジン環を有するD-π-A-π-D型蛍光性色素は、顕著な蛍光ソルバトクロミック特性を示すことがわかった。 2. 一重項酸素発生特性を有するフェナジン-2,3-ジオール系光増感色素の開発:光線力学的療法用の新しい一重項酸素発生光増感色素群の構築を目指して、様々な置換基を有するチオフェニル基を導入した新規なフェナジン-2,3-ジオール系光増感色素KI-1-6を分子設計・合成した。 3. PETとFRETを利用した水分検出用蛍光性センサーの開発:大きなストークスシフトを有するPET(photo-induced electron transfer)-FRET(Forster resonance energy transfer)型蛍光性水センサーとしてDJ-1の開発に成功し、DJ-1が水分検出を検出することでPETの抑制に伴いFRETが増強(蛍光性の発現)することを明らかにした。 4. ホウ素錯体色素の分子内電荷移動特性を利用した比色および蛍光性水センサーの開発:強い電子供与性のジュロリジン骨格を縮環したβ-カルボリン-ホウ素錯体ET-1-BF3が、有機溶媒中の微量水分領域、中水分領域および高水分領域において、それぞれ錯体解離によるET-1、水分子との水素結合錯体ET-1-H2Oおよびプロトン移動錯体ET-1-H+を形成することで、光吸収・蛍光スペクトルが短波長および長波長シフトを引き起こすことから、ジュロリジン骨格を縮環したβ-カルボリン-ホウ素錯体は、広範囲の水分領域に適応可能な比色および発光性水センサーとして機能することがわかった。
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