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2019 年度 実績報告書

軽い暗黒物質探索を目指した超伝導検出器の開発

公募研究

研究領域ヒッグス粒子発見後の素粒子物理学の新展開~LHCによる真空と時空構造の解明~
研究課題/領域番号 19H04606
研究機関東北大学

研究代表者

石徹白 晃治  東北大学, ニュートリノ科学研究センター, 准教授 (20634504)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード超伝導素子 / 暗黒物質
研究実績の概要

本研究で目指すのは、近年提案された暗黒物質との反応体として超伝導体を使い、反応で生じるフォノン/準粒子を超伝送素子で検出するというタイプの検出器を実際に開発し、その原理検証を行うことにある。本年度の研究計画に従い以下の進捗を得た。
- 新しい素子開発環境の構築。今まで東北大学ニュートリノ科学研究センターに300mKまで冷却可能なソープション冷凍機で超伝導素子の評価を行なっていた、これを10mKまで冷却可能な希釈冷凍機へと移すことに成功した。10mKまでの到達時間は約1日でである。また、温度安定化装置の実現により、今まで問題となっていた温度ドリフトを低減させ、再現性のある測定が可能となった。
- 読み出し系の整理。超伝導素子の読み出しに関して、CMB偏光観測実験用に開発された読み出し系を理解し、FPGAのロジック改良も含めて本実験に必要なシステム改修を行うことに成功した。ただし、現行システムでは多重読み出しの数に限界があることも判明した。これに関しては、CMB偏光観測実験用に開発された読み出し系をベースに新しいRFSoCを使った評価ボードZCU111にシステムを移行する予定である。
- キャリブレーションシステムの開発。キャリブレーション装置として光電効果を使った単電子発生装置の開発を進めている。本年度はKEKの上野助教と協力して単電子発生のための光源の準備は概ね完了した。
- 冷凍機の低放射能化。暗黒物質探索においては環境放射線が最大の問題となる。そこで、希釈冷凍機の放射線環境を測定し、低放射能化へ向けた準備開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

装置アップデートに関して、部品の調達に遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

低放射能化以外の部分は順調に準備が進んでいる。今後は、実際に超伝導体をターゲットとする検出器を試作して、本年度開発した評価システムで評価を進める予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] 暗黒物質探索を目指した超伝導検出器の開発2020

    • 著者名/発表者名
      石徹白晃治
    • 学会等名
      新学術「地下宇宙」第1回低温技術研究会
  • [学会発表] Kinetic inductance detectors on CaF2 for spin-dependent dark matter search2019

    • 著者名/発表者名
      K. Ishidoshiro
    • 学会等名
      18th International Workshop on Low Temperature Detectors
    • 国際学会
  • [学会発表] Kinetic inductance detectors on fluoride crystal for spin-dependent dark matter search2019

    • 著者名/発表者名
      K. Ishidoshiro
    • 学会等名
      16th International conference on Topics in Astroparticle and underground physics
    • 国際学会

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公開日: 2021-12-27  

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