公募研究
本研究では、外部刺激によって希土類の配位数と幾何学構造が変化する新しいソフトクリスタル変形の創成および光機能評価を検討した。七配位Tb(III) 錯体から八配位のTb(III)配位高分子へのソフトクリスタル転移の結晶連結の詳細を検討した。また、加熱による結晶相転移が起こるキラル型Eu(III)配位高分子の円偏光機能解析についても検討を行った。七配位から八配位へのソフトクリスタル変形の結晶連結では、七配位型の二核Tb(III)錯体(図1)から八配位のTb(III) 配位高分子への変形は2つの異なる結晶を連結することができる。この結晶連結に関して、接合結晶面の方位依存性があることが明らかになった。さらに、レーザー光によってDy(III) 結晶からTb(III)結晶へ光エネルギーが確実に伝達していることを明らかにした。キラルEu(III) 配位高分子の相転移計算では、相転移が可能なキラル型Eu(III)配位高分子の円偏光発光特性は配位高分子の配列構造に大きく依存していることを明らかにした。今回はその配列構造を段階的に変化させたモデルを設定し、それらのモデルの遷移双極子モーメント(ED)を計算した。この計算の結果、Eu(III)配位高分子のL M C TにおけるEDの大きさは配列距離に大きく依存することがわかった。 このED変化が円偏光発光特性に強く影響を与えていると推測される。以上、希土類配位高分子の配位構造および結晶の構造転移に基づく光機能の発現および機能解明に成功した。これらの研究成果は本領域の研究推進に大きく貢献したと言える。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件) 学会発表 (4件)
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