研究領域 | ソフトクリスタル:高秩序で柔軟な応答系の学理と光機能 |
研究課題/領域番号 |
20H04657
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
羽田 真毅 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (70636365)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ソフトクリスタル / 構造ダイナミクス / 時間分解電子線回折法 |
研究実績の概要 |
本公募研究では、テーブルトップ型超高速時間分解電子線回折法を駆使して、外部刺激応答性の結晶や液晶などのソフトクリスタルの分子動画を撮影する。すなわち、その物質の立体構造を理解し、外部刺激で誘起される構造変化ダイナミクスの詳細を解明することを目的としている。本公募研究では、光励起だけにとらわれず、熱反応、水との相互作用や接触反応なども視野に入れ、取り組む予定である。 2020年度は、国際共同研究として、カーボンナノチューブにおけるナノスケールにおけるフォノン振動とバルクスケールにおける熱伝導の関連性を明らかにし、Carbon誌に論文が掲載された。さらに、ソフトクリスタル領域では代表的な材料である無機・有機ハイブリッドペロブスカイト太陽電池材料の水との反応による劣化現象を分~時間の時間で時間分解X線回折実験により明らかにし、Applied Physics Letters誌に論文を掲載した。この論文は、Featured Articleに選出され、Scilightで紹介された。これらの研究をまとめて超高速時間分解電子線回折法を用いたソフト材料への展開に関するレビュー論文をAccounts of Chemical Research誌に掲載することができた。また、前回の公募研究で得られた成果である酸化グラフェンの光還元のメカニズムの続報として、光照射によって酸化グラフェンが二層化する現象の観測に成功し、現在論文の投稿を行っているところである。現在、羽ばたくことで剥離を生じる結晶・液晶分子や、熱活性遅延蛍光物質などの物質の時間分解電子線回折実験を進めており、新学術領域内の共同研究も順調に進捗しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本公募研究では、テーブルトップ型超高速時間分解電子線回折法を駆使して、外部刺激応答性の結晶や液晶などのソフトクリスタルの分子動画を撮影する。 2020年度は超高速時間分解電子線回折法を用いて、カーボンナノチューブにおけるナノスケールにおけるフォノン振動とバルクスケールにおける熱伝導の関連性を明らかにし、Carbon誌に論文が掲載された。さらに、ソフトクリスタル領域では代表的な材料である無機・有機ハイブリッドペロブスカイト太陽電池材料の水との反応による劣化現象を分~時間の時間で時間分解X線回折実験により明らかにし、Applied Physics Letters誌に論文を掲載した。超高速時間分解電子線回折法を用いたソフト材料への展開に関するレビュー論文をAccounts of Chemical Research誌に掲載することができ、今後の研究の指針を示すことができた。 このような達成状況にあるため、区分(2)を選択した。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、引き続き羽ばたくことで剥離を生じる結晶・液晶分子や、熱活性遅延蛍光物質などの物質の時間分解電子線回折実験を推進していく予定であり、新しい新学術領域内の共同研究にも取り組みたいと考えている。
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