公募研究
本公募研究では、テーブルトップ型超高速時間分解電子線回折法を駆使して、外部刺激応答性の結晶や液晶などのソフトクリスタルの分子動画を撮影する。すなわち、その物質の立体構造を理解し、外部刺激で誘起される構造変化ダイナミクスの詳細を解明することを目的としている。2021年度は、領域内の共同研究としてダブルペロブスカイトコバルト酸化物であるEuBaCo2O5.39結晶中で光照射によって酸化物イオンが運動する様子を時間分解電子線回折法を用いて観測することに成功し、その成果をApplied Materials Today誌に掲載し、筑波大学、東京工業大学、広島工業大学から共同でプレス・リリースを行った。また、前回の公募研究で得られた成果である酸化グラフェンの光還元のメカニズムの続報として、光照射によって酸化グラフェンが二層化する現象の観測に成功し、Carbon誌に掲載された。その他、時間分解電子線回折法によって得られた構造ダイナミクスから着想した材料設計を行い、より高機械強度、高電気伝導度、高熱伝導度を持つナノカーボン複合体の作製にも成功しており、この研究結果は、Nanotechnology誌に掲載された。現在、羽ばたくことで剥離を生じる結晶・液晶分子や、超イオン伝導を示す銅硫化物のナノ粒子、熱活性遅延蛍光物質などにも時間分解電子線回折実験を応用し、その光照射特有の構造ダイナミクスを得ている。新学術領域の終了後も引き続き、それらの成果を報告する予定である。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2022 2021 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 6件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
Nanotechnology
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https://hadamasaki.com