研究領域 | ソフトクリスタル:高秩序で柔軟な応答系の学理と光機能 |
研究課題/領域番号 |
20H04668
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
三宅 由寛 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (00347270)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ベイポクロミズム / サーモクロミズム / 曲面π共役 |
研究実績の概要 |
本年度はゲスト分 子の放出・取り込みの過程で起こる構造変化のメカニズムを明らかにした。赤色結晶であるクロロホルム包摂錯体は分子構造が鞍型であるのに対し、加熱後に得られる黄色結晶は平面構造であった。一方、ヘキサン蒸気に曝露したときに得られる黄色結晶はねじれ型の構造であった。これらの過程は可逆過程であり、変化の前後で結晶性は維持されていた。得られた構造を基に理論計算を行ったところ、構造変化の前後で中央の八員環の電子状態変化が顕著であり、それが色調変化に影響を与えることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験的および理論的に色調・発光色変化の起源明らかにできたため
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今後の研究の推進方策 |
本年度得られた知見を基に分子骨格を設計し、より劇的な色調変化をおこす分子を合成する。また、現在得られている分子は分子構造の変化で空孔サイズを変化させているため、ゲスト分子の形状。サイズ選択性の発現が期待できる。今後はベイポクロミズムの溶媒選択性についても検討する。
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