研究実績の概要 |
本年度はベイポクロミズムにおけるゲスト分子の放出・取り込みの過程を調べた。これまでクロミズムが起こることが分かっているヘキサン以外にジエチルエーテルやペンタン蒸気に曝露したときにねじれ型の構造をもつ分子に由来した黄色結晶へ変化した。一方、同程度の沸点・蒸気圧をもつシクロヘキサンでは色の変化は観測できなかった。このことは分子の形を認識していることを示しており、直鎖状の分子は孔内に浸潤することで構造変化を引き起こしたことを示唆している。 また、別の結晶性材料として2,7-ジアザピレンを基盤とする水素結合性有機構造体の構築にも成功した。この構造体は高い結晶性をもつ多孔性材料であり酸に応答して色が変化するクロミズム特性を示した。
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