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2009 年度 実績報告書

フォトクロミック錯体の創製と機能化

公募研究

研究領域フォトクロミズムの攻究とメカニカル機能の創出
研究課題/領域番号 21021002
研究機関東北大学

研究代表者

金原 数  東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (30282578)

キーワードアゾベンゼン / フォトクロミック分子 / 配位重合 / パラジウム錯体 / シンジオタクティック / ポリオレフィン / ナノファイバー / 有機ゲル
研究概要

フォトクロミック部位としてアゾベンゼンを有するジイミン型配位子を合成した。この配位子の光応答性を検討したところ、室温で紫外可視光照射することにより、可逆的にシストランス異性化反応を起こすことが分かった。この配位子に二価パラジウムを作用させたところ、対応するパラジウム錯体を得ることができた。さらに、トランス体の錯体についてはX線結晶構造解析に成功し、平面4配位しているパラジウムイオンの片側を、アゾベンゼン架橋が覆うような形で配置した、非対称な構造を有する錯体であることが明らかになった。
この錯体の重合活性を検討したところ、イソプロピリデンジアリルマロネートに対して重合活性を有し、閉館重合体としてシクロペンタン骨格を有するポリオレフィンが得られることが分かった。活性そのものは、既報にあるジイミン型配位子と同程度であった。興味深いことに、得られたポリマーの立体規則性を詳細に調べたところ、トレオジシンジオタクティックであることが分かった。これまでトレオジイソタクティック型のポリマーの合成例は報告されていたが、今回の配位子で初めてトレオジシンジオタクティック型のポリマーが得られた。さらに興味深いことに、このポリマーはハロゲン系の有機溶媒に対しゲル可能をすることがかった。透過型電子顕微鏡および走査型電子によりゲルおよびキセロゲルを観察したところ、ナノサイズのファイバー状構造体か観測された。トレオジシンジオタクティック型のポリマーは分子間相互作用により集積化し、ナノファイバーを与えることが分かった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Shape-Directed Assembly of a "Macromolecular Barb" into Nanofibers : Stereospecific Cyclopolymerization of Isopropylidene Diallylmalonate2010

    • 著者名/発表者名
      Y.Miyamura, et al.
    • 雑誌名

      J.Am.Chem.Soc. 132

      ページ: 3292-3294

    • 査読あり
  • [学会発表] ポリマーの立体規則性が支配する散逸構造2010

    • 著者名/発表者名
      宮村泰直, ら
    • 学会等名
      日本化学会第90春季年会
    • 発表場所
      近畿大学
    • 年月日
      2010-03-27

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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