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2010 年度 実績報告書

分子間プロトン移動フォトクロミックシステムの開発

公募研究

研究領域フォトクロミズムの攻究とメカニカル機能の創出
研究課題/領域番号 21021003
研究機関東京大学

研究代表者

小川 桂一郎  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50114426)

研究分担者 原田 潤  北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (00313172)
キーワードプロトン移動 / 互変異性 / フォトクロミズム / ヒドロキシキノリン / ヒドロキシフェナジン
研究概要

励起状態におけるプロトン移動は,非常に高速に進行するが,生成した互変異性体が容易に元に戻ってしまうので,通常はフォトクロミズムを引き起こしにくいと考えられている.それに対して,申請者らは分子間プロトン移動に起因するフォトクロミズムが,2-ヒドロキシフェナジンとその類縁体において発現することを見出している.すなわち,2-ヒドロキシフェナジンの2-メチルテトラヒドロフラン(MTHF)溶液に77Kで紫外光を照射すると,淡黄色から赤色に変化し,暗所に放置すると徐々に元に戻る.光着色体は,励起状態でのプロトン移動によって生じたNH形に帰属される.生成したNH形は,通常ならば容易にOH形に戻ると考えられるが,本反応ではなんらかの原因によってNH形の戻り反応の進行が抑制されている.本研究では,この意外とも言うべきプロトン移動フォトクロミズムの一般性とその機構を解明に取り組んだ.そのために,2-ヒドロキシフェナジン類および7-ヒドロキシフェナジンのメチル置換体を合成し,それらの紫外可視吸収スペクトル,蛍光スペクトルを測定するとともに,フォトクロミック挙動を調べた.その結果,一連のフォトクロミック反応では,低温において分子間水素結合による会合体が形成され,その中で分子間プロトン移動が進行すること,また,会合体としては環状二量体が生成しているが,それ以外の会合体も生成し,それが反応に関与している可能性も示唆された.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Photochromism of spiropyrans and spirooxazines in the solid state : Low temperatu2010

    • 著者名/発表者名
      原田潤
    • 雑誌名

      Chem.Commun.

      巻: 46 ページ: 2593-2595

    • 査読あり
  • [学会発表] Photochromism by Intermolecular Proton Transfer2010

    • 著者名/発表者名
      小川桂一郎
    • 学会等名
      Pacifichem2010
    • 発表場所
      ホノルルUSA(招待講演)
    • 年月日
      2010-12-15
  • [図書] 新版現代物性化学の基礎2010

    • 著者名/発表者名
      小川桂一郎
    • 総ページ数
      255
    • 出版者
      講談社
  • [備考]

    • URL

      http://maildbs.c.u-tokyo.ac.jp/~ogawa/index.html

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公開日: 2013-06-26  

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