研究領域 | フォトクロミズムの攻究とメカニカル機能の創出 |
研究課題/領域番号 |
21021015
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
谷 敬太 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (60207165)
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研究分担者 |
久保埜 公二 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (00269531)
迫 克也 名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (90235234)
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キーワード | ジアリールエテン / ホール輸送 / 電子輸送 / カルバゾール / 1,3,4-オキサジアゾール / 電流-電圧特性 / フォトクロミズム / 光定常状態 |
研究概要 |
ジアリールエテンの両末端にホール輸送能、あるいは電子輸送能を有する機能性分子を合成し、これらの化合物のフォトクロミック特性ならびに電圧印加に伴う導電性の変化などの電気的な刺激に基づく物性変化を検討することにより、光と電気の両方に応答する機能性材料を開発することが本研究の目的である。 ホール輸送性基、あるいは電子輸送性基としてそれぞれ多用されているカルバゾリル基と1,3,4-オキサジアゾリル基を導入したチオフェン系のジアリールエテン類を合成し、特にカルバゾリル基の置換基効果と置換位置に関して詳細な検討を行った。溶液中では置換基の種類によらず、UVあるいは可視光の照射により閉環、あるいは開環反応が進行する一方、薄膜状態では置換基効果が生じ、電子求引基を持つ場合の閉環体への異性化効率は低かった。また、置換位置に関しては、3-カルバゾリル基を持つジアリールエテン誘導体1の方が対応する9位置換体2よりも薄膜状態での異性化効率が高いことがわかった。1のX線結晶構造解析から、光閉環反応部位のベンゾチオフェン環がいわゆるアンチパラレル型の立体配座で、かつその距離も3.6Åと短いため、閉環反応が固体状態でも十分進行することがわかった。次に、合成したジアリールエテンを含む素子を作成し、その電流-電圧特性を調べた結果、閉環体を含む光定常状態において電圧印加に伴う電流値の変化により、電流値のON-OFF制御ができることを見出した。特に、薄膜状態で異性化効率の高い3-カルバゾリル基誘導体の電流-電圧特性が優れていることがわかった。
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