昨年度行った小惑星探査機はやぶさ2が回収したCbタイプ小惑星リュウグウサンプルのミュオン照射による元素分析の速報値をまとめ,初期分析成果の投稿論文の一部としてまとめた.その結果,論文は2022年9月にサイエンス誌に出版された.その後,昨年度のミュオン分析で得られたデータの詳細解析を進め,確定値(炭素,窒素,酸素,マグネシウム,ケイ素,硫黄,鉄の存在度)を投稿論文としてまとめた.一方,酸素については,局所同位体比分析を行い,質量数16の酸素が濃集した微粒子を特定し,これらの粒子が太陽近傍から太陽系外側領域まで輸送されていたことが分かった.この成果はNature Communicationsに投稿し,2023年2月に出版された.
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