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2023 年度 実績報告書

土器の型式学的検討に基づく広域編年の構築と長城地帯と中原地域の交流関係の研究

公募研究

研究領域中国文明起源解明の新・考古学イニシアティブ
研究課題/領域番号 21H05370
研究機関奈良県立橿原考古学研究所

研究代表者

齊藤 希  奈良県立橿原考古学研究所, 調査部調査課, 主任研究員 (10808108)

研究期間 (年度) 2021-09-10 – 2024-03-31
キーワード中国初期王朝期 / 長城地帯と中原地域 / 地域間関係 / 土器の広域編年 / 中国最古級の瓦
研究実績の概要

新石器時代晩期から初期王朝期の長城地帯と中原地域との地域間関係解明の基礎的研究として、土器の広域編年を確立し、土器動態に反映される多様な文化交流を解明することを目的として研究をおこなった。本年度は、発掘調査報告書や学術雑誌の簡報などから出土土器資料の情報収集とデータベース作成を再開するとともに、2024年2月末から3月にかけて中国に渡航し、陝西省・河北省・北京市・河南省などの研究機関において資料調査をおこなった。土器をはじめとした考古資料を実見し、報告書からは十分に得られないサイズ感や製作技術、焼成・色調の情報を得ることができた。これらの観察から、型式学的枠組みの検証をおこなった。研究成果の一つとして、これまで収集してきた土器のデータに基づき新石器時代末期(龍山文化期)から商文化期にかけての土器のサイズバリエーションの地域差を整理し、そこから地域間の土器伝播の背景となる人やモノ・情報の動きを検討した。この成果は、2024年3月刊行の論文集に寄稿した。また、これまで主に土器のデータ収集をおこなってきたが、地域間の関係を解明するために土器以外の他の物質文化の動態についても検討をおこなった。特に、近年、最古級の事例の発見と報告が相次いでいる瓦に関して、新石器時代から西周初期の瓦の事例についてデータを整理し、その起源と系譜について検討した。瓦は現在の資料からみて黄土高原にその起源が求められる。これらの瓦の展開と、最古級の瓦を有する遺跡の評価は、中原地域と長城地帯との地域間関係を理解する上で非常に重要であると考えた。本年度が公募研究の最終年度にあたるが、当初の計画と比べて中国における資料調査は十分におこなうことができなかった。今後も分析を継続し、A01班をはじめとした当該領域研究のメンバーらと共同して、広域編年の構築やデータベース構築に貢献していきたい。

現在までの達成度 (段落)

令和5年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和5年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 龍山文化期から商文化期にかけての調理具のサイズバリエーションの地域差―中国北方地域の資料を中心として―2024

    • 著者名/発表者名
      齊藤希
    • 雑誌名

      宮本一夫先生退職記念論文集 東アジア考古学の新たなる地平

      巻: 0 ページ: 685-698

  • [雑誌論文] 植物遺存体からみた黄土高原と中原地域の植物利用2023

    • 著者名/発表者名
      齊藤希
    • 雑誌名

      橿原考古学研究所論集 第十八

      巻: 18 ページ: 12-20

  • [学会発表] 中国における瓦の起源2024

    • 著者名/発表者名
      齊藤 希
    • 学会等名
      第1回 中国古代瓦研究集会
  • [学会発表] 中国における最古級の瓦とその分布について2023

    • 著者名/発表者名
      齊藤 希
    • 学会等名
      第223回歴史考古学研究会(帝塚山大学考古学研究所)

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公開日: 2024-12-25  

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