公募研究
光合成の初期過程である光収穫ー電荷分離反応を人工系で駆動させ、光ー水素変換システムの構築を目指す。今年度は光収穫能の増強を目的とし、光重合したリン脂質(Diyne-PC)が紅色光合成細菌の光収穫系複合体2(LH2)に対してエネルギードナーとなるシステムの構築を行なった。固体薄膜状あるいは小胞状のDiyne-PCに対して、UV照射により光重合を行なった。光照射時間が長くなるにつれ溶液の色調が変化し、黄色から無色になると蛍光発色性となることが明らかとなった。光反応条件を最適化し、その分光学的特性を明らかにした。このように重合したDiyne-PC脂質が形成する脂質二分子膜中にLH2を再構成することができた。
3: やや遅れている
紫外線照射による光重合性脂質の重合反応は従来低圧水銀ランプの254nmで反応が進行するが、水銀ランプの製造販売の世界的な制限により入手不可能となった。代わりにUV照射装置を導入したが、254nmの強度が極めて低く、反応を制御することに試行錯誤を要した。
光重合したDiyne-PC中への膜タンパク質の導入(再構成)効率を超遠心法により明らかにし、Diyne-PCの重合相からLH2へのエネルギー移動を調査する。その後反応中心複合体のLH1-RCを同様にDiyne-PCに再構成し、LH1-RCの光触媒反応によるキノンからヒドロキノンへの変換反応を駆動させる。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (19件) (うち国際学会 4件、 招待講演 3件) 備考 (1件)
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https://researcher.nitech.ac.jp/html/270_ja.html