• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実績報告書

インプリンティング異質性の解消に細胞競合が果たす生物原理の解明

公募研究

研究領域競合的コミュニケーションから迫る多細胞生命システムの自律性
研究課題/領域番号 22H05643
研究機関国立研究開発法人国立循環器病研究センター

研究代表者

森 雅樹  国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (10602625)

研究期間 (年度) 2022-06-16 – 2024-03-31
キーワードインプリンティング異質性 / 脂質代謝 / 過成長症候群 / 若年性リンクRNA / 細胞若年性
研究実績の概要

細胞競合の役割によって多細胞生物のもつ統合性が実現している可能性があるが、その原理はまだ明らかになっていない。本研究ではインプリンティング異常に伴う生体内でのエピゲノム多様性が細胞競合を引き起こす可能性を検証し、その分子実体を明らかにする目的に向けて取り組みを進めた。本年度はマウスモデルの確立を進め、さらに分子メカニズム解析のための基盤整備を進めた。その結果、インプリンティングの対象となる遺伝子の発現レベルの差異によって細胞間の競合が生じることが示唆された。候補分子の発現抑制は細胞の極性喪失を誘導し、Scribble型の細胞競合を引き起こす可能性が示唆された。また同遺伝子が代謝や細胞死に与える影響について検討を加え、遺伝子発現の異質性に伴って引き起こされる細胞間の競合状態について分子細胞解析を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

細胞競合の分子機構として新規のメカニズムを解明することを目的として、生体で生じる異質性を解消するメカニズムとして細胞競合が果たす役割について検証を進めた。その結果、細胞間の競合状態を惹起する新規の機構の一部を解明し、その起点となる因子としてインプリンティング遺伝子を同定した。今年度に確立したモデル系を活用し、詳細な分子機構を解明する素地が整っており、おおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

確立したモデル系に基づいて細胞競合の分子機構についてさらなる解明を進める。本研究ではインプリンティング異常に伴う組織の過形成や発がんを抑止する細胞競合の役割の検討を計画しており、培養細胞系や動物モデルを活用し、実体解明に取り組む。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Bex1 is essential for ciliogenesis and harbours biomolecular condensate-forming capacity2022

    • 著者名/発表者名
      Hibino Emi、Ichiyama Yusuke、Tsukamura Atsushi、Senju Yosuke、Morimune Takao、Ohji Masahito、Maruo Yoshihiro、Nishimura Masaki、Mori Masaki
    • 雑誌名

      BMC Biology

      巻: 20 ページ: _

    • DOI

      10.1186/s12915-022-01246-x

  • [学会発表] 若年性研究から見えてきた細胞の若年期ステータス2023

    • 著者名/発表者名
      森 雅樹
    • 学会等名
      2023年度日本心血管内分泌代謝学会オンライン研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] 若年性に着眼した循環器難病の新たな再生医療戦略への取り組み2022

    • 著者名/発表者名
      森 雅樹
    • 学会等名
      第58回日本小児循環器学会学術集会
    • 招待講演
  • [学会発表] 若年性遺伝子BEX1は一次繊毛の形成に必須な天然変性タンパク質をコードする2022

    • 著者名/発表者名
      森 雅樹
    • 学会等名
      日本人類遺伝学会第67回大会
  • [学会発表] SRSF7は年齢依存的スプライシングを通じて若年性トランスクリプトームを形成する2022

    • 著者名/発表者名
      森 雅樹
    • 学会等名
      日本人類遺伝学会第67回大会
  • [学会発表] 若年性生物学を通した小児循環器難病の治療戦略探索2022

    • 著者名/発表者名
      森 雅樹
    • 学会等名
      第58回日本小児循環器学会学術集会
  • [学会発表] 若年性生物学の取り組みによる小児循環器難病に対する新規治療戦略の確立を目指して2022

    • 著者名/発表者名
      塚村 篤史、森 雅樹
    • 学会等名
      第58回日本小児循環器学会学術集会
  • [学会発表] BEX1, a juvenility-associated gene, is essential for ciliogenesis.2022

    • 著者名/発表者名
      森 雅樹
    • 学会等名
      第45回日本神経科学大会
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi