現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
共役ジエンやアセチレン及びノルボルネンなどの不飽和炭化水素化合物を求核種として用い,カルボニル求電子剤に対する炭素・炭素結合形成反応を開発した。生成物は不飽和カルボン酸や不飽和アミン等の様々な生理活性物質として有用である。また,ポリフェノールやインドールなど芳香族化合物のC-H活性化を利用した単工程合成反応の開発にも成功している。これらは,申請書の計画内容に即して順調に進められている。更に,二酸化炭素が共役ジエンや共役エン-イン化合物と付加反応する新規カップリング反応を見出した。本反応は,今後,二酸化炭素の新規導入手法として期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
グラファイト及びメソポーラスシリカ等の細孔系固体触媒を反応場とする新しい触媒反応を開発する。固体触媒細孔内に配位子を設計・修飾し,ニッケル及びパラジウムなどの遷移金属触媒を担持する。これまで,メソポーラスシリカを始め,様々な固体触媒の細孔内に遷移金属を含浸法で蒸着させる固体触媒合成法が多々報告されているものの,配位子のデザイン,構築,金属触媒の集積化を可能にした例はない。本研究は同班員の北海道大学・原賢二先生と共同研究として検討する予定である。本触媒を合成し,最終的には二酸化炭素の直接的な変換反応等,高効率有機合成反応の開発へ展開する予定である。
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