2021 Fiscal Year Annual Research Report
New frontier for ubiquitin biology driven by chemo-technologies
Project Area | New frontier for ubiquitin biology driven by chemo-technologies |
Project/Area Number |
18H05497
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
佐伯 泰 公益財団法人東京都医学総合研究所, 基礎医科学研究分野, プロジェクトリーダー (80462779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 幹彦 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 特任教授 (00198011)
村田 茂穂 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 教授 (20344070)
岩井 一宏 京都大学, 医学研究科, 教授 (60252459)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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Keywords | ユビキチン / ケミカルバイオロジー / 標的タンパク質分解誘導剤 / 翻訳後修飾 / タンパク質分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
本新学術領域研究では、ユビキチン・プロテアソーム研究の国内リーダーと低分子化合物・ペプチド工学を専門とする有機化学者を結集し、ユビキチンにフォーカスしたケモテクノロジーを共に開発することで、次世代型ユビキチン研究を推進する。本領域の成否は異分野研究者の連携が最重要であるため、総括班が領域全体の研究体制、研究手法、情報共有を強力に支援し、領域の円滑かつ効率的な運営を進める。2021年度は以下の活動を実施した。 (1)総括班会議:2022年2月12日に開催し、異分野連携領域内共同研究の推進や若手研究者育成の方策、学会活動、企業との連携、領域主催国際シンポジウムの準備等について協議することで今後の領域の運営方針を決定した。 (2)領域全体会議:2021年6月26日および2022年2月11日~13日の計2回オンライン開催した。6月26日開催の第5回領域班会議では、第2期公募研究班員24名の研究計画を中心に発表し、以後の領域内共同研究の契機とした。2月開催の第6回領域班会議では、計画研究・公募研究の全班員が研究成果を発表し、研究の進展状況、領域内共同研究の実施状況が良好であることを確認した。 (3)研究支援:現在、領域内共同研究として約100件の研究課題が実施中であり、総括班による研究支援や共同研究のマッチング等も十分であった。 (4)若手育成支援:若手研究者、大学院生の発表を中心とした若手主体発表会を2回オンライン開催し、いずれも120名以上の参加者があった。 (5)広報活動:領域ホームページを定期的に更新するとともに、ニュースレターを540部発行した。また、日本生化学会大会、日本分子生物学会年会において本領域の共催シンポジウムを開催した(参加者170名)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は24件の公募研究が加わり新学術領域研究としての後半戦が開始した。領域全体会議、総括班会議、若手主体会議、ホームページや学会活動による情報発信については、当初計画の通り実施した。一方、若手研究者の国際学会参加や他の研究分野・企業研究者との交流については、コロナ禍により領域としての活動が制限され、各班員の個々の活動に依るものが多かった。 第5回領域班会議、第6回領域班会議はいずれも約130名の参加者があり、オンラインでの開催であったが、討議時間を比較的長めに設定することでユビキチン研究者と有機化学者が密な議論を交わすことができた。本年度は、デコイ核酸型PROTACや疎水性タグを用いたPROTACの開発、in silicoデザインによるPROTACの合理的設計など、標的タンパク質分解誘導剤の開発の進展が目覚ましく、また、ユビキチンデコーダーや脱ユビキチン化酵素の分子研究も大きく進み、また、新規開発された化学ツールを活用したユビキチン研究も順調に進んでいる。実際、研究成果としては、100報を超える論文発表があった。また、本領域に関する総説論文集を細胞誌に発表した。一方、昨年度に引き続き、本年度も若手の班員4名が各学会の奨励賞を受賞するなど次世代を担う若手研究者の育成も順調であるといえる。 このように総括班の活動はおおむね順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる2022年度は以下の活動を計画している。 (1)領域運営会議:2月に総括班会議を実施するほか、計画研究班員が3ヶ月ごとに会し、各自の研究成果と研究方法を共有すると共に、国内外の学術動向を議論し、以降の研究計画の調整および研究・運営方針を策定する。(佐伯) (2)領域班会議:本年度は2月に領域班会議を開催する。領域班会議は2日間の日程で計画研究班員、公募研究班員が成果発表を行い、本領域の研究成果を総括する。また、12月開催予定の領域主催国際シンポジウムにおいて、班員の研究成果を世界に発信する。(岩井) (3)共同研究推進活動:質量分析解析、低分子化合物スクリーニング、ペプチド合成、構造解析などの研究支援を班員に周知し、領域内共同研究活動を円滑に推進するべく調整する。(内藤) (4)若手育成支援:若手研究者による若手主体研究発表会を2回開催する。また、若手研究者の国際学会参加を促進させるため海外旅費支援を実施する(5名程度)。これらの活動により次世代研究者の交流・育成を図る。(佐伯) (5)広報活動:本領域のホームページを充実させるとともに、本領域の研究活動を網羅したニュースレターを発刊する。また、国内の主要学会(日本ケミカルバイオロジー学会、日本細胞生物学会、日本分子生物学会等)において領域共催シンポジウムを開催し、本領域の研究活動を宣伝する。(村田)
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