Research Abstract |
特定領域の総括班として,以下の会合等を支援した. 国際シンポジウムとして,近年,fMRIを用いたニューロ研究を含む実験が重要な手法として注目を浴びている政治学で世界をリードする研究者を結集し,"Experimental Political Science"2009/10/09,東京大学)を開催した.政治学でもラボの実験にとどまらず,新たな手法を用いるフィールド実験,政治キャンペーンの効果をみるfMRI実験なども議論された.このシンポジウムは政治学における新たな動きとして重要な会合となるであろう. 本特定領域のコンファレンスである「第13回実験社会科学コンファレンス」が神戸大学にて開催された(09/9/1).生物学,経営学,ゲーム論,心理学からの囚人のディレンマ実験,公共財供給,サルを用いた動機付けの脳内メカニズムの解明,進化シミュレーションなど,多岐にわたる報告がなされた.異分野の研究者が別々に報告をしているというよりも,共通の何かがある,と多くの参加者が感じ始めている. 本年度のサマースクールは玉川大学の坂上先生をはじめ日本を代表するニューロサイエンティストの助けを借りて,ニューロサイエンスの手法で社会科学の何がわかるのか,を中心に様々な報告がなされた.まず,ニューロサイエンティストの研究者から基礎事項の解説,考え方の講義があり,その後,それらを用いた社会科学と関連の深い研究発表があった.なお,島津製作所と阪大チームが共同で近赤外光脳機能イメージング装置(fNIRS)を用いた最後通牒ゲームの実験を実演した. 各班のワークショップは様々な場所で広範なトピックについて議論がなされた.その詳細は本特定領域のホームページを参照されたい. なお,fMRI研究と共同をするためには,fMRIが設置されている場所での行動実験が必須であることから,小規模ながら,総括班がモバイルラボを構築し,これを宅急便で実験を実際にする場所に送るという体制を整えつつある.
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