2017 Fiscal Year Annual Research Report
Multifaceted Study of the Physics of the Inflationary Universe
Project Area | Why does the Universe accelerate? - Exhaustive study and challenge for the future - |
Project/Area Number |
15H05888
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐々木 節 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (70162386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 順一 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (50212303)
高橋 智 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60432960)
山口 昌英 東京工業大学, 理学院, 教授 (80383511)
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Project Period (FY) |
2015-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | インフレーション宇宙 / 宇宙論的量子揺らぎ / 宇宙論的重力波 / 宇宙の再加熱 / 修正重力理論 / 原始ブラックホール / 原始非ガウス揺らぎ |
Outline of Annual Research Achievements |
H29年度は,様々なクラスのインフレーション宇宙モデルについて,それぞれの性質や予言について,これまでにない新しい知見が得られ,発見があった。以下はその主な成果である。 1.インフレーション宇宙のダイナミックス:インフレーション後の再加熱期におけるヒッグス場の不安定性を解析し,低エネルギーインフレーションの場合でも電弱真空が崩壊する可能性があることを指摘した(中山)。また,将来の重力波観測でブラックホール連星の質量関数を測定することで,インフレーション起源の原始ブラックホール説を明確に検証することができることを示した(須山・横山修)。インフレーション中に有限質量を持つ重力理論における重力波のスペクトルを精密に計算し,それが将来の重力波観測で直接検証できる可能性を示した(佐々木)。 2.観測的検証:カーバトンシナリオにおける物質等曲率ゆらぎの進化を再考し,宇宙マイクロ波背景輻射(CMB)観測から得られるモデルへの制限が従来のものより緩和されることを示した(横山修)。あるクラスの修正重力理論では,重力波と曲率揺らぎの相互作用が,ある特徴的な非ガウス的揺らぎを生成し,それがCMB揺らぎの観測データに示唆されている非ガウス性とよく一致することを示した(佐々木)。また,インフラトンがアインシュタインテンソルと結合している場合にのみにCMB揺らぎのBモード偏光の三点関数に特異な信号が検出されることを示した(横山順)。 3.理論の追求:高階微分理論のより一般的なクラスを発見し,そのクラスのすべての理論で一様等方宇宙が不安定であることを示した(小林)。現在の観測結果を良く再現する多くのインフレーションモデルは「極インフレーション」の枠組みで統一的に理解されることを示し,超重力理論における極インフレーションモデルを解析した(山口) 。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各自,順調に成果をあげており,インフレーション理論に関する知見も着実に増えている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで通り,メンバー全員が集まり成果を俯瞰し総括する。そして、世界の中での我々の研究の進展状況・位置を明確にし,それに基づいて今後の方向性を議論する。特に究極理論からの理論的動機付けやモデルの観測的検証可能性をより明確にするために,他の計画研究との連携をより強化する。
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Research Products
(48 results)
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[Presentation] Inflationary massive gravity2017
Author(s)
佐々木節
Organizer
13th International Conference on Gravitation, Astrophysics, and Cosmology 15th Italian-Korean Symposium on Relativistic Astrophysics A Joint Meeting, Seoul
Int'l Joint Research / Invited
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[Book] 相対性理論2017
Author(s)
小林 努
Total Pages
208
Publisher
日本評論社
ISBN
978-4-535-80640-5
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