2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | New Horizons of Photochromism: Customized Molecular Design and Novel Applications |
Project/Area Number |
19050009
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松田 建児 京都大学, 工学研究科, 教授 (80262145)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 淳也 京都大学, 工学研究科, 講師 (30322168)
東口 顕士 京都大学, 工学研究科, 助教 (90376583)
|
Keywords | 分子コンダクタンス / STM / 2次元相分離 |
Research Abstract |
分子構造とコンダクタンスの関係を明らかにすることは、分子エレクトロニクスの非常に重要な課題の一つである。様々な微小ギャップ間での分子コンダクタンスの測定が試みられている中、近年では多数回の測定の統計を取ることにより信頼性の向上がはかられている。本研究で着目した固液界面でのconstant current modeでのSTMで測定される見かけの高さは、分子のトンネル電導性を含むため、ピークの高さの解析から分子コンダクタンスに関する情報を得ることが可能である。また、2次元に配列した多数分子のピークを解析することにより統計処理も可能である。しかし、見かけの高さが近い場合、ヒストグラムを分離できないという問題点が存在した。本研究では、異なる長さの側鎖を有するポルフィリンをテンプレートとして、2次元相分離を用いてドメインを分離し、同一の像の上で異なる分子のヒストグラムの作成に成功した。 HOPG-phenyloctane固液界面でのC30の側鎖を持ち無置換のビフェニルが配位したC30-Rh-1と、C22の側鎖を持ちオルト位にメチル基が置換したビフェニルが配位したC22-Rh-2の混合溶液のSTM像では、格子定数に差がある大小2種類のface-on配列が得られ、2種類の分子の像を空間的に分離することができた。C30-Rh-1の見かけの高さ分布は4.3±0.7A、C22-Rh-2の見かけの高さ分布は2.9±0.5Aと求まり、両者に1.4Aの差があることが明らかとなった。分子とSTM Tipの間の減衰定数を溶媒の減衰定数としてアルキル基の減衰定数1.2A^<-1>を用いると、両ビフェニルのコンダクタンスの比は5.7倍と求まった。また、この比は、アルキル側鎖の無い類縁体のX線構造解析で求められたフェニル基のねじれ角から合理的に説明できた。
|
Research Products
(5 results)