2008 Fiscal Year Annual Research Report
分子認識バイオインターフェースのナノ構築と細胞機能診断デバイスへの展開
Project Area | Molecular Soft-Interface Science |
Project/Area Number |
20106012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高井 まどか The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 准教授 (40287975)
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Keywords | バイオインターフェース / 細胞-材料間相互作用 / タンパク質吸着 / リン脂質ポリマーブラシ / ガス分離膜 / マイクロチップ / 細胞培養システム / ポリジメチルシロキサン(PDMS) |
Research Abstract |
本年度は、バイオインターフェースの設計の指標となる細胞一材料間の接着初期の相互作用を定量的に解析することを目的として、1)光グラフト重合を用いたバイオインターフェースの構築と細胞接着挙動のQCM-Dによる解析、および2)マイクロチップを用いた細胞計測システムの開発を実施した。1)の成果として、タンパク質の非特異吸着の抑制を目的とし、poly((2-ethylhexyl methacrylate)x-co-4-vinylbenzylN, N'-diethyldithbcarbamate)100-x)(PEV[100-x])を光開始剤としたリビングラジカル重合法によりMPCポリマーブラシ層を形成した。MPCポリマー鎖密度と鎖長の異なるそれぞれの表面形態を原子間力顕微鏡(AFM)により観察したところ、牛血清アルブミンの吸着量はポリマー鎖密度と表面のナノレベルでの凹凸構造に大きく依存し、ポリマーブラシの密度が高く、かつ平滑な形態の表面が、タンパク質の非特異的吸着を効果的に抑制可能であることがわかった。タンパク質の非特異的吸着の抑制された条件の表面を用いて、細胞初期接着挙動のQCM-Dを用いた解析を行った。MPCポリマーグラフト基板でのタンパク質の吸着が抑制されていることが示された。今後、パターニング基板を用いた評価をしていく予定である。2)の成果は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)をガス分離膜として用いることで細胞培養培地中での細胞生成物や緩衝剤によるpH変化による影響を除き、二酸化炭素の溶存の効果のみを評価できるマイクロチップ培養システムを構築したことである。このシステムを用いて、細胞の呼吸量の経時的な変化を観察することができた。しかし、細胞の呼吸活性の定量的な評価を実現するためには、より少ない細胞数の呼吸変化を測定できるよう、培養部及び反応部の大きさ、チップの材料等について検討していく必要がある。
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Research Products
(14 results)