2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Intracellular logistics: interdisciplinary approaches to pathophysiology of membrane traffic |
Project/Area Number |
20113004
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
佐々木 卓也 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (40241278)
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Keywords | 高次神経機能 / 細胞内物流システム / シナプス形成 / Rabconnectin-3 / Rab13 / JRAB / Actinin-4 / アクチン細胞骨格 |
Research Abstract |
本研究は、高次神経機能を支える細胞内物流システムとしてシナプス小胞の輸送とシナプス形成に関わる接着分子の輸送の制御機構を明らかにすることを目的としている。本年度の本研究では、前者については、シナプス小胞輸送の重要な制御分子であるkab3Aの活性制御蛋白質に結合する分子として研究代表者が見出したRabconnectin-3に注目し、その2個のサブユニットのノックアウト (KO)マウスの解析を行った。本 KOマウスは神経の発生あるいは機能に障害を示すことを見出しており、現在、その障害が Rab3A系によるシナプス小胞輸送の異常に基づくものかを解析している。後者については、研究代表者が見出したRab13-JRAB系に注目した解析を行っているが、本年度は、活性型Rab13がJRABに結合することで引き起こされるJRABの構造変化がシナプス形成において重要な役割を果たしていることを示唆する結果を得ている。すなわち、これまでの解析から、JRABは、細胞膜上でRab13と結合することによりシナプス形成に必要な分子を積み込んだ小胞を細胞膜にtetheringさせると考えているが、本年度の解析により、JRABは、Rabl3との結合依存的な構造変化によりactinin-4等のJRAB結合蛋白質群との相互作用を変化させること、さらにはアクチン細胞骨格の再編成に対して異なった作用を示すことを明らかにすることができ、現段階では、その機構によりRab13-JRAB系がシナプス形成時に認められる小胞輸送とアクチン細胞骨格系の再編成を時空間的に連動させながら制御していると考えている。さらに、本研究では、Rab13 と JRABについて神経特異的にそれぞれがKOされたマウスを作製しており、現在、これらのマウスを用いて、Rab13-JRAB系の高次神経機能における役割について個体レベルの解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画自体は順調に進んでいるが、KOマウスの解析が本年度中には終了できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で作製したRabconnectin-3のKOマウス、Rab13とJRABが神経特異的にKOされたマウスにつき、個体レベルの解析を引き続き行う。
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Research Products
(3 results)