2012 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of genes involved in the development of MDS as a tool of elucidation of hematopoiesis.
Project Area | Molecular mechanisms of cell fate determination in the cells that undergo stepwise differentiation to multiple pathways |
Project/Area Number |
22118005
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
稲葉 俊哉 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (60281292)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | MDS / エピゲノム制御 / 骨髄性白血病 / 7番染色体欠損 / 発がん制御遺伝子 / 遺伝子欠損マウス / エンドソーム代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
造血細胞の分化コースを逸脱した、骨髄異形成症候群(MDS)を主な研究材料として、その分化異常の分子メカニズムを解明することにより、正常造血細胞の分化メカニズムを浮き彫りにする。また、次世代シーケンサを用いたエピゲノム解析技術を確立して、解析サービスを北村班内外の、造血研究以外を含んだ広い範囲の研究者に提供し、細胞分化の統合的理解を進める、の二点が本計画研究班の目的である。このため、以下の三本柱の研究を進めてきた。(1)MDSに特徴的な7q-の4責任遺伝子候補のうち、SAMD9/SAMD9Lの機能と細胞運命決定。(2)エピゲノム制御の正常/異常(MDS)造血細胞分化への関与。(3)片アレル欠失効果メカニズムの解明。 平成24年度までの研究経過は当初計画の枠内で行われた。 (1)に関してはSAMD9/SAMD9Lがエンドソームに局在して、その融合を促進し、リガンド結合性のサイトカイン受容体の代謝に関与していること、同時にRhoを介するアクチンリモデリングの制御を通じて、細胞の遊走や極性に関与する。このふたつのシグナルのクロスする場所で、SAMD9/SAMD9Lが機能することを解明した。(2)では、脱メチル化剤によるMDS芽球の赤血球系への分化メカニズムの解明を、白血病細胞株を用いた実験系で推進した。この過程で、次世代シーケンサを用いた、多くのエピゲノム解析系を確立し、北村班内外の研究者に提供している。(3)では、(2)で確立された手法を用いて、モノソミー7を有する白血病細胞株を解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスの実験は、異なる遺伝子改変マウスの掛け合わせによる表現型の観察で、腫瘍発症までに1年半から2年程度かかるため、時間を要するが、順調に進んでいる。次世代シーケンサによる大量ゲノム・エピゲノム解析も順調にデータを蓄積している。
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Strategy for Future Research Activity |
順調なデータの蓄積が見られているため、計画通りに推進させる。論文投稿を念頭に、補充実験をおこなって行きたい。
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