2012 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of susceptibility genes for HLA-associated diseases including Behcet's disease
Project Area | HLA polymorphism, disease and evolution |
Project/Area Number |
22133010
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
水木 信久 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90336579)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河越 龍方 横浜市立大学, 医学部, 助教 (20564800)
大野 重昭 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (50002382)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | HLA関連遺伝性眼疾患 / ベーチェット病 / サルコイドーシス / 原田病 |
Outline of Annual Research Achievements |
多くの遺伝性眼疾患でHLAとの有意な相関が報告されている。本研究の対象疾患であるベーチェット病、サルコイドーシス、原田病についても人種を問わずHLAとの顕著な相関が報告されており、各々の疾患の発症にHLA遺伝子が深く関与していることは疑いない。近年各疾患を対象に、HLA領域の解析が進められ、疾患と相関する新たなHLA遺伝子または非HLA遺伝子が同定されている。しかしながら、HLAは高度の多型性を示すとともに、強固な連鎖不平衡を有するため、疾患と真に相関するHLA遺伝子あるいは非HLA遺伝子は未だ確定されていない。また、HLAは人種による遺伝子頻度の多様性も示すことから、疾患とHLAの相関に人種差が認められる場合も報告されている。したがって、本研究においてHLA領域を対象にゲノムリシークエンシングを遂行することにより、各々の疾患の真の疾患感受性HLA遺伝子あるいは非HLA遺伝子を確定する。さらに、私達が確定した病因遺伝子と結合する病因ペプチドの検索およびその病因ペプチドの結合阻止分子の同定を行う。これらの成果はHLA関連遺伝性眼疾患の病態の解明に繋がるとともに、HLA分子標的薬の開発を可能にし、HLA関連遺伝性眼疾患の根治治療への道を拓く。 平成24年度は、ベーチェット病およびサルコイドーシスを対象に、HLA領域の網羅的なSNP情報をもとに、各々の疾患に真に相関するSNPの一次スクリーニングを行った。また、原田病を対象にしたHLA領域の網羅的なSNP解析を開始した。さらに、各疾患に顕著に相関するHLAアリルを対象にしたトランスジェニックマウスおよびノックアウトマウスの作製を試みた。今後、本研究を継続して遂行することで、HLA関連遺伝性眼疾患の病態の解明が期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、ベーチェット病、サルコイドーシスおよび原田病のHLA関連遺伝性眼疾患を対象に、HLA領域の詳細な解析を実行し、各々の疾患の発症に関わる真の疾患感受性HLA遺伝子あるいは非HLA遺伝子を確定する。さらに、確定した病因遺伝子と結合する病因ペプチドの検索およびその病因ペプチドの結合阻止分子の同定を行う。これらの成果はHLA関連遺伝性眼疾患の病態の解明に繋がるとともに、HLA分子標的薬の開発を可能にし、HLA関連遺伝性眼疾患の根治治療への道を拓くと考えられる。 現在までに、ベーチェット病およびサルコイドーシスにおいて、HLA領域の網羅的なSNP情報をもとに、各疾患に真に相関するSNPの一次スクリーニングを完了している。また、原田病を対象にしたHLA領域の網羅的なSNP解析も着手し、原田病におけるHLA領域の網羅的なSNP情報の取得の目途も立っている。さらに、ベーチェット病、サルコイドーシスおよび原田病の病因HLAアリルを対象にしたモデル動物(トランスジェニックマウスおよびノックアウトマウス)の構築も試みている。 以上より、本研究は当初の研究計画のとおり、「おおむね順調に進展している。」といえる。今後引き続き研究を進めることで、当初の目標を達成できると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
ベーチェット病およびサルコイドーシスについては、平成24年度に引き続き、HLA領域の網羅的なSNP情報を検証し、各々の疾患の発症に真に相関するSNP(遺伝因子)の特定を行う。原田病については、平成24年度に引き続き、HLA領域の網羅的なSNP解析を実行し、HLA領域のSNP情報を取得する。その後、取得されたSNP情報をもとに、原田病に真に相関するSNPの一次スクリーニングを行う。今後、HLA領域のSNP解析をより効果的に行うため、日本人集団だけではなく、海外の人種集団も本研究に用いる予定である。海外の人種集団を用いることで、人種を超えて疾患と真に相関する遺伝因子の特定が可能になると考えられる。 また、平成24年度に引き続き、ベーチェット病、サルコイドーシスおよび原田病の病因HLA遺伝子を対象にしたモデル動物(トランスジェニックマウスおよびノックアウトマウス)の作製を行う。作製されたトランスジェニックマウスおよびノックアウトマウスを観察し、各疾患発症の有無を解析することで、HLA関連遺伝性眼疾患の発症メカニズムの解明を行う。
|
Research Products
(12 results)