2011 Fiscal Year Annual Research Report
集団遺伝学理論と比較ゲノムによる非コードDNA領域の進化メカニズム
Project Area | Functions of non-coding DNA region for genome integrity |
Project/Area Number |
23114004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
印南 秀樹 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 准教授 (90444140)
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Keywords | 非コード領域 / 進化 / ゲノム |
Research Abstract |
本研究では、非コード領域にどのような自然選択の力が働き、どのような過程で進化してきたかを明らかにする。理論研究は一般的に非常に柔軟で、あらゆる生物種の幅広いタイプの非コード領域を研究対象にすることができる。そこから、非コード領域に共通する進化の法則を導きだし、その背後にある進化のメカニズムを理論的に解明する。遺伝学の仕事は常にその一般性を問わなければならない。本班の理論的研究から、あるモデル種を用いた研究成果が、どの程度の種の範囲まで適用できるのか?という一般性を問う問題に答えることが出来る。 本年度は、基礎的な集団遺伝学の理論構築に費やした。非コード領域に起こる突然変異が進化の過程でどのように振る舞うかを、理論的に解明した。結果は、Genetics, Molecular Biology and Evolutionなどの雑誌に掲載された。 一方、非コード領域の進化パターンを研究するために、メダカを含めたいくつかの種のゲノム塩基配列を決定した。進化の法則の一般性を見るために、敢えて非モデル種を選んだ。このプロジェクトに関しては、データのクオリティチェックを終えたのみで、解析は次年度に行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本領域の初年度ということで、新規のデータ無しでおこなえる、基礎的な理論的な研究に従事した。その成果は、直接データ解析に使えるものであり、次年度以降の発展が期待出来る。その意味で、本年度の達成度には満足している。 一方、非コード領域の進化パターンを研究するために、メダカを含めたいくつかの種のゲノム塩基配列を決定した。データのクオリティチェックを終えた段階であるが、その質は今後の解析に十分なものであることを確認している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、基礎的な理論の構築をおもに行った。今後は、それを実際のデータ解析に組み込むことで、より発展させる。同時に、メダカなどのゲノム進化解析を行う。また、本領域も2年目に入り、他班からも次世代シークエンサのデータが大量に出てくる予定である。そこで、他班との共同研究を主に行っていく。
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Research Products
(5 results)