2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | "Matryoshka"-type evolution of eukaryotes |
Project/Area Number |
23117009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
洲崎 敏伸 神戸大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00187692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橘 裕司 東海大学, 医学部, 准教授 (10147168)
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Keywords | 細胞内共生 / 原生生物 / マイクロインジェクション / オルガネラ |
Research Abstract |
淡水の原生動物や無脊椎動物には、細胞内に緑藻クロレラを共生させている種が多く知られている。洲崎は、細胞内におけるクロレラの共生現象に関する体系的な知見を得る目的で、以下の実験を行った。1)細胞内共生クロレラをもつミドリアメーバ・ミドリゾウリムシ・ミドリラッパムシ・ミドリヒドラなどを含む多種のクロレラ共生生物を日本国内から探索した。これまでに約20種類のクロレラ共生生物を確認し、上記4種については実験室内での株化に成功した。これらの情報はホームページで公開した。2)これらの緑色生物から単離したクロレラを、白化したクロレラ共生生物に与え、再共生の有無を検証した。その結果、同じ種間でも再共生しないものや、異種間で再共生するものが存在することが判明した。3)単離したクロレラを白化した共生生物にマイクロインジェクションし、再共生が成立するかを検証する実験を試みた。これに関しては、現在はまだ結果は出ていない。4)クロレラ共生細胞を透過型電子顕微鏡により観察し、細胞内共生クロレラと、それを包含するPV膜に、共通する微細構造的特徴を見出した。 分担研究者の橘は、赤痢アメーバなどの嫌気性アメーバにマイクロインジェクションによってマイトソームを移植するための条件検討を行った。嫌気性で運動性のある細胞の保持方法、インジェクションキャピラリーの先端径サイズ、電動インジェクターによる注入の圧力と時間などについて検討し、比較的良好な条件を設定できた。また、赤痢アメーバの近縁種として、新たなEntamoeba nuttalli株を確立した。トクザルの糞便中から細菌共棲培養によって分離し、その後、完全無菌培養に馴化させ、クローン化した。この新規分離株について、アカゲザル由来のE.nuttalli株との性状の違いや、マイトソーム蛋白質Cpn60予想アミノ酸配列の赤痢アメーバとの差異を確認でき、今後の異種移植実験に使用可能と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、マイクロインジェクションによるオルガネラの異種細胞への導入を試みている。このような試みは他に例がなく、いまだ成功には至っていないが、技術的障害はおおむね克服されたので、当該年度の研究目的はほぼ達成されている。分担研究では、マイトソームの標識法や単離法などに解決すべき点がある。
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Strategy for Future Research Activity |
洲崎は、23年度の研究内容を継続するとともに、細胞内共生中のクロレラからPV膜を単離し、含まれるタンパク質を解析する。橘は、技術的に解決しなければならない課題は多いが、これは予想されていたことでもあり、様々な方法や条件を検討することで問題点の克服に努める。
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Research Products
(30 results)