2012 Fiscal Year Annual Research Report
Technical basis for artificial modification and transplantation of organelles
Project Area | "Matryoshka"-type evolution of eukaryotes |
Project/Area Number |
23117009
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
洲崎 敏伸 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00187692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橘 裕司 東海大学, 医学部, 教授 (10147168)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 細胞内共生 / 原生生物 / マイクロインジェクション / オルガネラ |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、洲崎は細胞内におけるクロレラの共生現象に関する体系的な知見を得る目的で、以下の実験を行った。1)細胞内共生中のクロレラからPV膜を単離し、含まれるタンパク質を解析した。その結果、いくつかの特徴的なタンパク質のバンドを検出できた。PV膜に存在するタンパク質の特徴とコードする遺伝子を同定する目的で、mRNA-Seqを実施中である。2)単離したクロレラを白化した共生生物にマイクロインジェクションし、再共生が成立するかを検証する実験を試みた。これに関しては、まだ結果は得られていない。3)クロレラ共生細胞を超高圧透過型電子顕微鏡により観察し、電子線トモグラフィーによる詳細な形態観察を行った。 分担研究者の橘は、赤痢アメーバのマイトソーム単離に関し、従来報告されている方法よりも純度が高く毒性のない分画が得られるように改良を行った。また、新たなマイトソームの標識法についても検討した。さらに、赤痢アメーバに加え、Entamoeba invadens, E. moshkovskiiなどの他種アメーバ類や他の嫌気性原虫類へのマイクロインジェクションによるマイトソームの移植を試みた。また、これまでに分離し無菌化した病原性や宿主特異性の異なるアメーバ株に関して、マイトソーム関連蛋白質の比較解析を行うとともに、さらに赤痢アメーバ近縁種の新規分離も継続し、多様な細胞をレシピエントとして利用できるように、条件検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、マイクロインジェクションによるオルガネラの異種細胞への導入を試みている。このような試みは他に例がなく、いまだ成功には至っていないが、技術的障害はおおむね克服されたので、当該年度の研究目的はほぼ達成されている。
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Strategy for Future Research Activity |
洲崎は、23年度の研究内容を引き続き継続するとともに、細胞内共生中のクロレラのPV膜に含まれるタンパク質を解析する。橘は、様々な方法や条件を検討することでマイクロインジェクションによるオルガネラの異種細胞間移植に関する問題点の克服に努める。
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Research Products
(29 results)