2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Unification and Development of the Neutrino Science Frontier |
Project/Area Number |
25105009
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
安田 修 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (50183116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 丈 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (60322294)
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Project Period (FY) |
2013-06-28 – 2018-03-31
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Keywords | ニュートリノ振動 / ニュートリノ質量 / フレーバー混合 / レプトンフレーバーの破れ / 非標準的相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
ニュートリノのフレーバーに依存する非標準相互作用が存在する場合、ニュートリノの伝播中の物質効果が修正を受けるが、その電子・タウ成分に関する制限は非常に弱い。現行のスーパーカミオカンデと将来のハイパーカミオカンデにおける大気ニュートリノ観測実験において、この非標準相互作用の電子・タウ成分に関する制限をどれだけ与えられるかを議論した。昨年度はレートのみによる解析を行ったが、さらにスペクトルを考慮するとどのように制限が改善するか等の問題を議論した。 IceCubeは宇宙ニュートリノのスペクトラムを観測したが、それによると、エネルギーが400TeV-1PeVの範囲にある宇宙ニュートリノは現在のところ地球に飛来していない。これを素粒子論的に説明するために、10MeV程度の軽いゲージボソン(いわゆるダークフォトン)を導入する模型を考えた。この模型はミューオンの異常磁気能率の理論値と測定値の差も説明出来、実際両方を同時に説明するパラメタ領域があることを確認した。 COMET実験がもうすぐ始まることを受けて、COMETがミューオン電子転換を発見する一方で、ミューオンが電子と光子に崩壊する現象が測定されない場合にどのような模型及び他の実験からの間接的な検証があり得るかをRパリティを破る超対称性模型を基準として考察した。 現在の無ニュートリノ二重ベータ崩壊実験は、電子ボルトスケールのニュートリノ質量だけでなく、テラ電子ボルトスケールのレプトン数の破れた新物理にも感度がある。この実験により探索可能な物理模型を網羅的に調べあげ、各模型における無ニュートリノ二重ベータ崩壊過程と加速器実験、更にはニュートリノ質量の起源の間の関係を系統的に議論した。 2014年6月には、京都大学で研究会を開催し、国内のニュートリノの理論研究者の間でニュートリノ研究の今後の可能性を議論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ニュートリノ振動現象の解析的・数値的研究に関して、大体当初の計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、質量パターン・CP位相の研究、ステライルνの現象論、非標準相互作用に対する感度、ユニタリー性のテストの研究、加速器実験の新物理への感度との比較に関する研究を、他の研究計画班とも連絡を取りながら進め、国内外での研究集会で成果の発表に努める。
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Research Products
(16 results)