2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
00J00878
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
三好 修 三重大学, 医学部附属病院, 講師
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Keywords | 爪 / 遺伝子 / DNA / DNA Array |
Research Abstract |
爪は外界との接触を維持する器官であり外胚葉誘導体であるが、爪の先天性奇形は、同じ外胚葉由来である中枢神経系の発達障害としばしば結びつき、これは、大脳皮質の形成期と爪の形成期がオーバーラップすることからも支持される。このことから、申請者は、ヒト爪においては、末梢血よりも脳神経系遺伝子の発現が多いことを仮定した。cDNA Array定量法を用いて、同一個人の遺伝子発現を爪と末梢血について、共通発現遺伝子群と、爪に過剰発現および減弱発現する遺伝子群とに分けて解析した。爪遺伝子発現プロフィールを、神経系発現遺伝子との重なりという点において、末梢血リンパ球と指爪とで比較するため、脳神経由来のcDNA Arrayメンブレン(TOYOBO Human Neurology)を用いた。まず、末梢血と指爪組織からtotal mRNAを抽出し、中枢神経系の発現遺伝子において、重複がどの程度あるのか解析すると、爪と末梢血とで重複した遺伝子群の存在が認められた。次に、爪にのみ発現する遺伝子群があり、これは、ヒト表現型には無関係に精神神経系に関与している可能性が高い。これにより、生体より抽出不可能な脳発現遺伝子は、爪と末梢血の遺伝子を解析することで、広域にカバーされる可能性を示唆している。
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Research Products
(1 results)