1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570552
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
門間 和夫 東京女子医科大学, 循環器小児科, 教授 (80075233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高尾 篤良 東京女子医科大学, 循環器小児科, 教授 (70075167)
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Keywords | インドメサシン / ベ-タメサゾン / 動脈管 / 動脈管開存症 |
Research Abstract |
平成元年度に私達は次のような研究を行った。 妊娠満期(妊娠21日)のラットを用い、インドメサシン(1mg/kg,胃内注入)、ベ-タ-メサゾン(1mg/kg,筋肉内注射)単独と併用の動脈管収縮効果を薬剤投与4時間後に研究した。その結果は、インドメサシン単独では40%、ベ-タ-メサゾン単独では20%の動脈管内径縮小が生じたのに対し、インドメサシンとベ-タ-メサゾン併用では相乗効果が生じ、動脈管内径は80%縮小した。妊娠19日の未熟な胎仔に対しても、同様な効果があり、インドメサシンとベ-タ-メサゾンの併用は、それぞれ単独の投与と比べて、相乗効果があった。この相乗効果は、インドメサシンとベ-タ-メサゾンを同時に投与した場合いに最も明らかであった。逆にベ-タ-メサゾンを24時間前に投与した場合には、インドメサシンの動脈管収縮作用は増加しなかった。 この研究結果から次の臨床的考察がなされた。第一に妊娠している婦人がインドメサシンその他の抗炎症剤とベ-タ-メサゾンその他の糖質ステロイドホルモンを同時に投与されると、胎児の動脈管は強く収縮し、心不全を生じる危険がある事である。第二には、未熟児の動脈管開存症の治療に、インドメサシンとベ-タ-メサゾンの併用が有効な事である。インドメサシン単独で効果が充分得られない場合に、インドメサシンとベ-タ-メサゾンの併用は遙かに強力な動脈管収縮を生じるはずである。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Momma,K and Takao,A.:"Increased constriction of the ductus arteriosus with combined administration of indomethacin and betamethasone in fetal rats." Pe diatr.Res.25. 69-75 (1989)
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[Publications] Momma,K and Takao,A.:"Right ventricular concentric hypertrophy and left vent-ricular dilatation by ductal constriction in fetal rats." Circulation Research. 64. 1137-1146 (1989)
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[Publications] Momma,K and Takao,A.:"Fetal cardiovascular effects of nifedipine in rats" Pediatric Res.26. 442-447 (1989)
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[Publications] 門間和夫: "インドメサシンとベ-タ-メサゾンの併用による動脈管収縮" 日本心臓血圧研究振興会・昭和62年度研究業績集. 3-5 (1989)
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[Publications] 門間和夫: "薬剤による動脈管収縮の研究" 循環器病研究振興財団,大阪,研究助成業績報告集1987年度. 55-60 (1989)
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[Publications] 門間和夫: "薬剤による動脈管収縮の研究" 昭和63年度厚生省心身障害研究・新生児管理における諸問題の総合的研究. 189-193 (1989)
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[Publications] 門間和夫: "松田一郎監修:妊婦への投薬,解熱鎮痛消炎剤" ミスク,東京, 7 (1989)
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[Publications] 門間和夫: "梶原長雄ほか編集:循環器科診断治療大系1:心室中隔欠損症,動脈管開存症,三心房心,部分肺動脈還流異常症" 講談社,東京, 6 (1989)