2002 Fiscal Year Annual Research Report
東北タイ天水田稲作地帯の土地生産力評価モデルの開発
Project/Area Number |
01J02634
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
本間 香貴 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 天水田 / 水稲収量 / 利用可能水量 / シミュレーションモデル / 微地形 / 粘土含有量 / 出穂遅延 / 同位体炭素分別 |
Research Abstract |
タイ東北部は天水田が卓越し、干害が多発しさらに貧弱な土壌により水稲収量が著しく低い。この研究では土壌肥沃度と利用可能水量を評価し、天水田における土地生産性を評価するシミュレーションモデルを開発することを目的とする。平成14年度は利用可能水量を評価するサブモデルを構築することを目的として、現地調査および解析を行った。水稲育苗および本田準備期にあたる5月末から6月中旬にかけて渡タイし、東北タイに広がる5地点を定点観測農家圃場として選定し、不在の間もそこにおける水位および土壌水分を径時的に計測できるように準備した。現地主力品種KDML105とRD6が出穂を迎える10月中旬に再度渡タイし、データを集め、11月中旬の登熟をまって水稲収量調査を行った後帰国した。 解析の結果、圃場における湛水と土壌水分で表される利用可能水量が減少するにつれ、水稲の出穂日が直線的に遅れた。現地主力品種は非常に感光性が強く通常の作期では同一日に出穂を迎える。従って東北タイにて広範囲の利用可能水量を調査する場合、水稲の出穂日を調査することで簡易に評価できることが判明した。殆どの圃場の粘土含有量が10%以下と非常に低く、土壌水の透水係数が非常に大きく、わずか数mの相対標高の違いであっても利用可能水量は大きく違っていた。これらの結果を元に、微地形の変異を考慮した利用可能水量を評価するサブモデルを構築した。 また、稲体が受ける水ストレス強度をより的確に評価するために、同位体炭素分別に関する実験も執り行い、現在解析中である。
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Research Products
(1 results)