2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00249
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荻原 俊男 大阪大学, 医学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FU YUXIAO 大阪大学, 医学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 本態性高血圧 / 遺伝子多型 / 分子生物学 |
Research Abstract |
最初に、高血圧、循環器疾患に関連する候補遺伝子として、β_1-アドレナリン受容体(β_1-AR)の遺伝子に着目し、我々はこの遺伝子の389番目のアミノ酸がグリシン(Gly)またはアルギニン(Arg)になる多型について大迫研究で検討した。家庭血圧(n=1149)におけるSBP(収縮期血圧)とDBP(拡張期血圧)はArg/Arg型が高い傾向にあり、SBPとの間には有意な相関が認められた他、家庭血圧の脈圧およびABPMの夜間脈圧とも有意な相関が認められた。以上の結果より、日本人集団では、β_1-Adrenergic受容体の遺伝子多型(Arg389Arg)は高血圧発症リスクとなり、特に夜間血圧上昇のリスクとしてはたらく可能性が示唆された。 次に、腎臓におけるナトリウムの出納と血圧の調節発病機序に重要な役割を果たすKallikrein-kininシステム(KKS)に着目し、白人では高血圧発症、腎臓疾患、心血管疾患合発症と関連することが報告されているものの、これまで日本人の報告の少なかったbradykininβ_2受容体遺伝子のプロモーターの遺伝子多型(-58T/C)と本態性高血圧症の疾患感受性に及ぼす影響を検討した。その結果、この遺伝子多型(-58T/C)の本態性高血圧感受性への影響は欧米白人に比し小さいことを明らかにした(Hypertens Resに投稿中)。 現在は、高血圧の発病機序に重要な役割を果たしていると考えられるレニン・アンジオテンシン(RA)系に着目し、最近Sudhirらにより報告されたアンジオテンシノーゲン遺伝子(AGT)の遺伝子多型(-217A/G)(AGT遺伝子のプロモータの基礎的な活性に影響する)と日本人の本態性高血圧との関連を検討しており、インスリン抵抗性と弱い相関は認めるものの、本態性高血圧感受性への寄与度は小さいと考えられるデータを得つつあり、現在、追試を行っている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Katsuya Tomohiro: "Epsilon 4 allele of apolipoprotein E gene associates with lower Blood pressure in young Japanese subjects : the Suita Study"J Hypertens. 20. 2017-2021 (2002)
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[Publications] Asai Takashi: "Endothelin-1 gene variant associates with blood pressure in obese Japanese subjects : the Ohasama Study"Hypertension. 38(6). 1321-1324 (2001)